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仮想通貨の世界 4/4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。5月のテーマは仮想通貨。ビットコインを扱う、株式会社bitFlyerの加納裕三代表取締役に、その魅力や利便性についてお聞きしている。(1/4回から読む)ーーー

規制・管理されないことで
利用者の拡大が期待される

内藤 ビットコインの取引所はbitFlyerを含め、国内で十数社。決済業務を手掛けるのは、御社とCoincheckだけだそうですね。

加納 国内取引所としてのシェアは、我々が6~7割と国内でトップ。月間取引金額は、2015年後半には10億円程度の規模でしたが、2017年1月には3200億円を超えています。

背景としては、これまでの資金調達額は41億円と圧倒的に多く、株主に名を連ねるのは、SMBCベンチャーキャピタルやみずほフィナンシャルグループ、三菱UFJキャピタル、第一生命グループなど、メガバンクやメガバンク系のベンチャーキャピタル、保険会社など。同業のなかで監査法人がついている、顧客のビットコイン保管中のリスクを補償する損害保険を契約しているのも当社だけです。倒産リスクが低く、顧客保護を貫いている点が評価されているのだと思います。UIやUXも重視していて、ユーザビリティの高さやウォレットアプリの使いやすさも関係しているのでしょう。とはいえ、ビットコインに将来性があるとわかれば新規参入は増え、淘汰されていきますから、気は抜けません。

内藤 日本に比べると海外ではビットコインの普及がスピーディで、アメリカの人気スーパーの「ターゲット」は決済にビットコインを導入、マイクロソフトやデル、スタバでも使ええると聞いています。利用者がもっとも多いのは中国で、次いで、アメリカ、欧州といったところでしょうか。

加納 そうですね。これらの国に比べると日本はまだまだビットコインが流通していませんが、むしろ上昇余地があると捉えています。ある程度広がり臨界点を超えないと、市場はしぼんでしまうだけですから、そこを駆け抜けることはとても重要ですし、我々だけではなく業界全体で普及を促進させたい狙いです。

内藤 現状、ビットコインは交換価値が変動しやすいこともあり、富の置き場所としては不安定だと思います。投機目的で売買する人もいるでしょうが、個人が何千万円を仮想通貨にしておくという段階ではないでしょう。一方で私自身は、決済として利用する層は確実に増えていくと考えています。

また、日本人が将来、日本円に対して悲観的になれば、円がビットコインに流れる可能性もあるかもしれません。中央銀行は規制しませんし、国境を簡単に超えていく通貨ですから、そこに魅力を感じる人もいるでしょう。

セキュリティは誰にも頼っていないからこそ、逆に安全だと考えられます。中央銀行は信頼性がある時は頼りになりますが、安全性が劣化すると信任は低下するだけ。その点、ビットコインは、ネットワーク上で分散管理するブロックチェーンの技術にセキュリティホールが見つかったり、誰かにハッキングされて盗まれたり消えると問題ですが、理論的に起こりようがありません。利用者が増えていくと信頼度も上がり、使われるほど流通も増え、利用シーンも拡大していくでしょう。ただし、中には「ネットは危ない」という人もいて、「危険だ」「マネーロンダリングの温床になるかも」と口にするので、そこをどのように払拭していくかは課題だと思います。

内藤忍

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