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The Style Concierge

タイの不動産投資 vol.2

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。

第5弾のテーマは、タイ不動産投資。欧米やアジアで不動産ビジネスを展開する、ステイジアキャピタルジャパン、ジェネラル・マネジャーの吉岡憲史氏をお招きしているが、いま注目株として挙げたのが「シラチャ」というエリア。今回は、その魅力に迫る!

エンリッチ マネーカフェ タイの不動産

日本企業が続々と進出する、湾岸エリア

内藤 吉岡さんがお勧めするシラチャですが、バンコクから車でおよそ1時間半、パタヤからだと約30分という立地。完全なローカルの地方都市ですよね。

吉岡 そうですね。ただ、シラチャ周辺には工業団地が多く、たくさんの日本企業が工場を構えています。ブリヂストンやスズキ、トヨタや三菱自動車など、自動車メーカーを中心に、日系企業の数はおよそ700社にのぼります。2011年にタイは大洪水に見舞われ約460社が被災しましたが、それはバンコクやアユタヤといった地域。ところが大きな河川がないシラチャは被害を回避でき、これをきっかけに工場を移転させた企業も多いようです。

内藤 タイといえば、自動車が主力産業ですが、それを支えているのがシラチャの工業団地ということですね。

吉岡 そうです。自動車産業の特徴は、技術やサプライチェーンの問題から、容易に他国へと工場がシフトしづらい点です。
2013年における自動車の生産台数は日本が約1000万台、アメリカが1100万台、中国が2200万台、東南アジアではタイが253万台、インドネシアが62万台となっていますが、フォルクスワーゲンは年間約1000万台の生産のうち、35%をタイへシフトさせると明言しました。
国家の1人あたりのGDPが3000米ドルを突破するとマイカーブームが起きるといわれていますが、タイはすでにその水準を突破。その他のASEAN諸国もそれに続くことは間違いありません。そうなれば、6億5000万人の自動車消費市場が誕生し、タイの影響力やポテンシャルは計り知れず、各メーカーの工場が集中するシラチャの存在感は、ますます高まっていくと考えられます。

内藤 タイ最大の貿易港で、自動車の輸出拠点でもあるレムチャバン港もシラチャの近郊。地の利もありますね。

吉岡 その通りです。さらに、2019年にはバンコク~ラヨン間に高速鉄道が開通する予定です。これは総額6兆3000億円超をかけた国家プロジェクトで、バンコク~パタヤ間は約1時間で結ばれ、その間に位置するシラチャ周辺にも新駅が設置される予定。これにより、日本企業の工場進出も加速すると見られています。イメージするとすれば、日本の京浜工業地帯のような場所に成長するというわけです。

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内藤 なるほど。そうすると、バンコクのスクンビッドのような日本人街がシラチャにも形成されていく可能性は高いでしょうね。

吉岡 駐在員やその家族を中心に、ますます増えていくと考えられます。シラチャはチョンブリ県に位置しますが、日本人の登録人口はおよそ5000人、短期の滞在も含めると1万人はいるといわれています。地方都市にこれだけ日本人が集中するというのは、他にはありません。首都や大都市ならまだしも、郊外の町にこれほどの規模というのは、世界でもシラチャくらいです。

内藤 そこに不動産投資のチャンスが潜んでいるということでしょうか。

吉岡 ええ。シラチャの住宅開発はまだ始まったばかりで、バンコク中心部と比較すると単価も低く、将来に渡る価格の上昇期待もあります。海外不動産投資と聞くと大都市を思い浮かべますが、視点を少しずらすと、こういった有望なエリアがあるのです。

ーーータイの主力産業である自動車工場が集積するシラチャ。経済成長の拡大などに伴い、ますます発展するという。次回は、シラチャのさらなるポテンシャル、不動産投資における有利な点を、さらに掘り下げていこう。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「究極の海外不動産投資」(幻冬舎)


吉岡憲史(よしおか・けんじ))

ステイジアキャピタルジャパン株式会社 ジェネラル・マネジャー
青山学院大学卒業、英国ラフバラ大学大学院修了。
株式会社新潟総合テレビ、株式会社クリード、クリード不動産投資顧問株式会社(出向)、APN株式会社取締役、APH株式会社代表取締役などを経て、2013年より現職。賃貸情報サイト「家賃5万以下ドットコム」の発案者。
ステイジアキャピタルホールディングリミテッド

内藤忍

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