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エアライン系プレミアムカードを極める:ANA編 3/3回

ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。プライベートやビジネスに何かと身近な存在だからこそ、本当の価値を知り、使いこなしていただきたいというのが目的だ。
3月のテーマは、ANAプレミアムカードだが、今回は、「ANAプレミアムメンバー」及びANAスターフラーヤーズカード」について触れ、それを締めくくりとしよう。

エンリッチ プレミアムカード ANA

搭乗実績に応じて得られる、ステイタスメンバーとは?

百貨店の外商、ホテルの上級ステイタスなど、上得意に対して特別なサービスを用意するというのは、よくあること。それはエアラインも同じです。ANAの場合も搭乗実績に応じて得られる、「プレミアムメンバー」というサービスを提供しています。特典内容は充実のひとことで、メンバーステイタスを得ることは、多大なメリットを意味します。よって、ビジネスやプライベートでエアラインの利用が多いなら、一社に集中させ、上級顧客になっておくべき。まずは、その仕組みを解説しましょう。

ANAでは、年間(毎年1月~12月)の搭乗実績に応じて、各顧客に「プレミアムポイント」を付与。獲得ポイント数により「ブロンズサービス」「プラチナサービス」「ダイヤモンドサービス」という、3つのメンバーステイタスを提供しています。
プレミアムポイントの計算式は次の通りですが、ようはANA便及びANAグループ便の利用が多いほど、獲得するプレミアムポイントも多くなるという仕組みです。

プレミアムポイント=区間基本マイレージ×クラス・運賃倍率×路線倍率+搭乗ポイント

例えば、東京発福岡着のANAグループ便を普通運賃で利用した場合は…
プレミアムポイント1,534=区間基本マイレージ567×クラス・運賃倍率100%×路線倍率2+搭乗ポイント400

次に、プレミアムメンバー各ステイタスにおける、到達基準を見ていきましょう。

ANA「ブロンズサービス」

到達基準:年間プレミアムポイント3万。うち、ANAグループ運航便利用1万5000以上、かつ3万プレミアムポイント到達時。

主な特典:
・フライトボーナスマイルが40~55%にアップ(ゴールド・プレミアムカードホルダーは優遇)
・カード継続時のボーナスマイル+2000マイル付与(ANAゴールドカード保有の場合)
・空席待ちの優先予約
・国内線座席指定の優先サービス
・ANA国際線無料手荷物許容量の優待
・成田空港、羽田空港「プレミアムエコノミー」チェックインカウンターの利用
・空港ラウンジの利用
・国内線・国際線の座席アップグレード
・「スターアライアンス・シルバー」メンバー資格の付与

ANA「プラチナサービス」

到達基準:年間プレミアムポイント5万。うち、ANAグループ運航便利用2万5000以上

主な特典:
・フライトボーナスマイルが90~105%にアップ(ゴールド・プレミアムカードホルダーは優遇)
・カード継続時のボーナスマイル+2000マイル付与(ANAゴールドカード保有の場合)
・空席待ちの優先予約
・国内線座席指定の優先サービス
・優先チェックインカウンター利用
・手荷物優先
・ANA国際線無料手荷物許容量の優待
・ANA国際線「プレミアムエコノミー」への無料アップグレード
・専用保安検査場の利用
・空港での優先搭乗
・成田空港・羽田空港の駐車場特別サービス
・空港ラウンジの利用
・「スターアライアンス・ゴールド」メンバー資格の付与

ANA「ダイヤモンドサービス」

到達基準:年間プレミアムポイント10万。うち、ANAグループ運航便利用5万以上

主な特典:
・フライトボーナスマイルが115~130%にアップ(ゴールド・プレミアムカードホルダーは優遇)
・未使用分マイル有効期限の延長
・カード継続時のボーナスマイル+2000マイル付与(ANAゴールドカード保有の場合)
・空席待ちの優先予約
・特典航空券の優先取り扱い
・国内線予約の優先受付
・国内線座席指定の優先サービス
・優先チェックインカウンター利用
・手荷物優先
・ANA国際線無料手荷物許容量の優待
・ANA国際線「プレミアムエコノミー」への無料アップグレード
・専用保安検査場の利用
・空港での優先搭乗
・コンシェルジュサービス
・成田空港・羽田空港の駐車場特別サービス
・空港ラウンジの利用
・国内線・国際線の座席アップグレード
・IHG・ANA・ホテルズグループジャパンでの優待
・「スターアライアンス・ゴールド」メンバー資格の付与

このように、目を見張るような特典が用意されるのが、プレミアムメンバーの特徴。エアラインで提供される最大の付加価値が享受できるので、ステイタスを得ていたいところです。

さらに特別なサービスもあります。それがANA「ダイヤモンドサービス」「プラチナサービス」を受けているときに申し込める「ANAスーパーフライヤーズカード」です。基本的にプレミアムメンバーの有効期限は1年間ですが、このカードを持てばホルダー期間中はプラチナサービスに近いサービスを継続して受けられるようになります。

ANAスーパーフライヤーズカードとは?

ANAスーパーフライヤーズカードとは、プレミアムメンバー特典とクレジットカード機能が合わさったサービスです。申し込めるクレジットカードは、一般(ワイドカード)、ゴールド、プレミアムから選べるのですが、中編で紹介した各ANAカードプレミアムも対応しています。例えばダイナースであれば「ANAダイナース スーパーフライヤーズ プレミアムカード」となります。年会費は変わりません。それにも関わらず、特別なサービスを受けられるわけですから、エアライン系カードの付加価値を引きだすという点では、まさに最上位を意味します。主なサービス・特典は次のようになります。

・フライトボーナスマイルが35~50%にアップ(プレミアムカードホルダーは50%遇)
※プレミアムメンバーサービス提供中は、各ステイタスに準じる
カード継続時のボーナスマイル+2000マイル付与(ANAゴールドカード保有の場合)
・空席待ちの優先予約
・国内線座席指定優先サービス
・「ANAスカイホリデー」「ANAハローツアー」「ANAワンダーアース」の割引販売
・優先チェックインカウンター利用
・手荷物優先
・手荷物許容量の優待
・ANA国際線「プレミアムエコノミー」への無料アップグレード
・専用保安検査場の利用
・空港での優先搭乗
・成田空港・羽田空港の駐車場特別サービス
・空港内・機内の割引販売
・国内線・国際線の座席アップグレード
・オリジナルネームタグのプレゼント

ANAスーパーフライヤーズカードのホルダーになれば、プレミアムメンバーの基本的なサービスは受けられるということです。なお、カードホルダーであり、ステイタスメンバー提供中は両者の特典が受けられ、さらに有利な条件が適用される仕組みです。

1年間の搭乗実績というハードルはありますが、プレミアムメンバー及びANAスーパーフライヤーズカードは、エアラインで得られる特典を極めるのに不可欠なサービスです。ぜひ、目指していただきたいところです。

 
ANAの最上位のサービスである、プレミアムメンバーとANAスーパーフライヤーズカード。菊地氏はホルダーだが、その利便性は申し分ないという。こういった資格は持っておいてデメリットはないので、年間の搭乗を集中させ、資格を取得してみてはいかがだろうか。


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菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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