ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

エアライン系のメイン&サブカード 3/3回

ポイ探・菊地崇仁氏による、クレジットカードを使いこなすテクニックを紹介する本連載企画。今回は航空がテーマに話を進めてきたが、締めくくりとなる今回は、「ステイタスマッチ」について触れておこう。

他の航空会社・加盟航空会社で特典を得るには?

エンリッチ 菊地氏

今回は、航空会社を通じて、各社が加盟する航空連合についても触れてきました。デルタ航空であればスカイチーム、ANAはスターアライアンス、JALはワンワールドに加盟しているのですが、各社の上級会員になれば、これら航空連合の上級会員にもなれ、加盟航空会社でも様々な特典が得られるというわけです。

そこで気になるのは、スカイチームの上級会員はスターアライアンスやワンワールドの優待特典を受けられるかということ。まあ、異なるチームですからムリと考えるのが一般的なのですが…じつは可能にすることができるのが、「ステイタスマッチ」です。

ステイタスマッチとは、他の航空会社の上級会員を対象に、自社の上級会員資格を無償で与えるというサービス。要は、競合グループの上級会員に対して「試しにこっちも使ってください」という特別資格を提供してくれるのです。仮にサービス内容がハイレベルであれば乗り換えてくれるかもしれないという狙いがあるのでしょう。

ですから、ご自身が持つカードに付帯する航空会社やチーム以外を利用する場合も、ハイクラスのもてなしを受けられる可能性はあるわけで、これを試してみる価値は大アリ。もちろん、エアライン各社によって対応は異なるので、必ずしも適用されると限りませんが、予約の際の交渉材料に使ってみるという手もあります。強引な裏ワザかもしれませんが、これも上級会員になれる資格を有する、エグゼクティブに許されるメリットと捉えればいいのではないでしょうか。

ちなみに、このステイタスマッチ、ホテルでも適用されることがありますから、あるホテルグループの上級会員なら、交渉次第で他のグループでも同等の扱いを受けられるケースがあります。

プライオリティ・パスをリーズナブルに持ちたいなら

プライオリティ パス
最後に、全世界700カ所以上の空港ラウンジが無料で使えるプライオリティ・パスについてです。独立系の空港VIPラウンジプログラムとして使い勝手に優れることから、リーズナブルに持ちたいと考える人は多いはず。海外に出かけるケースが多いなら、なおさらです。

とはいえ、スタンダード会員で年99米ドル、スタンダード・プラス会員で年249米ドル、プレステージ会員だと年399米ドルの費用が生じます。


そこで便利なのが、プライオリティ・パスの無料利用が付帯するクレジットカードを持つことです。さすがに年会費無料のクレジットカードに、こういったサービスは付帯しませんが、なかにはサブ向けのリーズナブルなカードで特典が得られます。

楽天ブラック
例えば楽天プレミアムカード。年会費1万円(税抜き)で、プライオリティ・パスのプレステージ会員の権利がオプションでつきますから、それだけで年会費はペイできたも同じこと。リーズナブルに持つには、もっとも近道といえそうです。

ただし、別途申し込みが必要なので注意してください。しかも、同伴者は有料扱いになります。もし、同伴者が常にいるようなら、さらに上級で年会費3万円(税抜き)の楽天ブラックカードがあり、同伴者2名までが無料になります。


あるいは、ブラック・プレミアムカードにこだわるなら、アメックス・プラチナは先に紹介した通り、プライオリティ・パスが付帯。また、SBIワールドやスルガ銀行が提供するインフィニットカードなら、同伴者数は無制限。プライオリティ・パスを重視するというなら、こういった選択肢もあるでしょう。

 
他の航空会社や航空グループでも上級会員と同等のサービスが受けられる、ステイタスマッチは、ちょっとした裏ワザのようなもの。機会があれば活用してみればいい。とにかく、奥が深い航空系のサービス。自身が持つカードのサービス内容をもう一度チェックして、その価値を最大限に見出していただきたい。あるいは、足りないサービスがあるなら、サブカードの保有を検討してみてはいかがだろうか。


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菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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菊地崇仁

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