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ビジネスカード最前線&カードセキュリティ最新事情 2/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。前回は2枚のビジネスカードを取り上げた。ここからは、クレジットカードの最新セキュリティ事情を紹介しよう。(1/3から読む)ーーー

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クレジットカードのIC搭載が義務化
より高いセキュリティが実現する

クレジットカードの不正利用増加が収まりません。一般社団法人日本クレジット協会によると、2018年の不正利用被害額は235.4億円と、17年(236.4億円)から微減したものの、15年が120.9億円だったことを考えると、急増しました。なお、19年1月~9月の被害額な206億円で、これはかなりハイペースです。

かつて、クレジットカードの不正利用といえば、偽造カードが多くを占めていましたが、いまはカード番号を盗みECサイトなどで使う「番号盗用被害」がメインです。18年であれば、偽造カードの被害16億円(6.8%)に対して、番号盗用は187.6億円(79.7%)と、比べ物になりません。

偽造カードによる被害が減ったのは、IC取引による決済が増えたからだと考えられます。もともと、クレジットカードの決済といえば、カードリーダーで個人情報を読み取る「磁気ストライプ」が主流でした。あとは本人確認のためのサインをすれば支払いは終わりというわけです。ただし、磁気ストライプの情報は簡単に入手できるためセキュリティ面で堅牢とはいいがたく、それゆえスキミング(カード情報を抜き取り偽造カードを作り不正利用する)被害が後を絶ちませんでした。

こうした状況に歯止めをかけるために生まれたのが、ICチップを搭載したクレジットカード(ICクレカ)です。ICだとデータを暗号化して保存するため、読み出されたり改ざんリスクが大幅に軽減するばかりか、情報を読み取るには高度な機器が必要で、コストと労力の面から、スキミングや偽造は難しいとされています。認証の仕組みも高度で、データが変造されていれればすぐわかり、取引は暗号化されるため、盗み取るのは容易でありません。

菊地崇仁

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