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海外発行のプレミアム系カード 1/3

ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。3月は、最新の国内カード事情を紹介しつつ、海外でのみ発行されている、プレミアム系カードを紹介しよう。

エンリッチ プレミアムカード1

エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地崇仁です。前回は、国際ブランドを冠したプリペイドカードについて触れました。このジャンルは、新たなカードも続々と登場していて、前に名称だけ取り上げた「ANA VISAプリペイドカード」は、今年1月にリリースされたもの。「ANA VISAカード」および「ANA マスターカード」の会員の13歳以上が利用できる「チャージ限定型」(申し込んだ保護者のカードでのみチャージが可能)と、15歳以上が利用できる「オールチャージ型」(クレジットカードやコンビニ、ペイジーなどでチャージが可能)の2種類があり、カード利用1000円ごとにANAマイルが5マイル貯まります。カードホルダーというよりは、そのお子さんに持たせるのにマッチしているでしょう。

年初から春にかけては、
ニューカマーが続々登場

新年度を迎えることから、春はクレジットカードの申し込みが増えるシーズンです。これを狙い、年初から新たなサービスを発表するカード各社は後を絶たず、それは2016年も変わりません。

例えば、楽天カードは、カード決済でANAマイルが直接貯まる「楽天ANAマイレージクラブカード」の発行を2月に開始しました。これはカード入会時に、カード決済で付与されるのを楽天スーパーポイントかANAマイルから選ぶことができ、切り替えも可能。ポイント付与は楽天スーパーポイントが100円=1ポイント、ANAマイルは200円=1マイルというレートです。楽天のポイントとANAマイルは現在も相互交換できますが、新カードは直接マイルも貯められるので、移行の手間がかかりません。

AMC(ANAマイレージクラブ)会員は2900万人、対して楽天カードの会員数は1200万人ですが、楽天カードはANAと提携することで、カード発行枚数のさらなる飛躍、あるいは楽天市場をはじめとする自社サービスへの取り込みを狙っているのだと思います。ANAとしても、ライバルのJALはイオンカードと提携して「イオン JMBカード」を発行していますから、対抗策を講じたかったのかもしれません。

新たなサービスという意味では、JR東日本にも注目したいところです。同社では2月23日より、「アトレ」や「アトレヴィ」「グランデュオ」といったグループ駅ビルのポイントプログラムを統一し、新たな共通ポイント「JRE POINT」のサービスを開始しました。これまでは各駅ビルで独自のポイントプログラムを提供していたのですが、今後はどの駅ビルを利用しても共通のポイントが貯まるというわけです。将来的には「Suicaポイント」や「ビューサンクスポイント」など、電子マネーやクレジットカードに付随するポイントもJRE POINTに統合される予定で、これにより巨大な共通ポイントに成長する可能性は高いといえます。

他にも、電力自由化が始まることで、クレジットカードや共通ポイントの距離は、いままで以上に近くなりそうです。プレミアム系カードとはやや趣きは異なりますが、こうった情報をキャッチアップしておくことで、世の中のトレンドやお金の流れを察知できるのではないでしょうか。

 
ーーー新規クレジットカードや新サービスのリリースが続く、この時期。自分自身の生活に深く関わることもあるので、情報収集はお勧め。もちろん、エンリッチでも随時、お知らせしていこう。

菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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