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アートギャラリーを知る 
佐々木栄一朗 gallery UG Tennoz

世界に一つしかないモノに価値を見出し、独占する至福こそがアート

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E:たしかに日本人の場合は、「すでに売れているもの」に価値を見出す傾向があるのかもしれませんね。

佐々木:日本人にとっては、海外で評価されたものが良いものなんですよね。自分が最初に評価することをすごく恐れるし、自信がない。そこを変えたいなと常に思っています。

E:世界と比べて日本のアート業界が遅れていると感じる要素について教えてください。

佐々木:欧米では、アートをコレクションしていることが社会貢献として当たり前の価値観なのですが、日本の経営者の場合はすべて自分のためにお金を使う傾向にあり、アートを買うという文化がまだまだ根付いていないと思っています。

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E:美術品の減価償却制度によって、少しずつアートを取り入れる企業家が増えている印象もありますが、「社会貢献としてアートをコレクションする」という考え方はたしかにあまり根付いていないかもしれませんね。

佐々木:減価償却制度により、たしかに安価なアートは手に取りやすくなりました。

しかし本来、アートは減価償却するものではなく、価値が上がっていくものなのに、車や設備と同じように価値が下がるみなし方をされてしまっているんですよね。

一方、アメリカなどでは10億円の作品を買って美術館で1年間展示したという社会貢献支援が免税対象になるから、価値が戻ってくる……。なのでアートマーケットが広がっていき、価値も上がっていくんですよ。

E:日本では、アートを購入する目的の一つとして、「資産価値がどれくらい上がるか」を重視する人が多いのではないかなと思います。

佐々木:世界的な風潮のなかで、国際的な金融資産としてのアートの位置づけは高くなっていることもあり、マネー的な視点で考える方が多いのも頷けます。

ですが、そこのバジェットがそもそも変わってきておりまして。昔は、「数百万円出せばある程度担保できるゾーンに入ってくる」という感じだったのですが、いまは数千万~数億円以上出さないとそのゾーンに行けないようになっています。

なので、自分の趣味として無理のないところで楽しむか、投資としてアートを考えるのであれば、億単位の作品が安定資産になりますので、どちらか選択すれば良いかと思います。もちろん、両方を理解した上で両方やるのもありだと思います。

E:40年アートと向き合い、価値を探し、現在に至るまで止まることなく走り続けてきたかと思います。佐々木さんの人生において「現代アート」はどのような存在で、どのような魅力があるとお考えですか?

佐々木:空気みたいなものですね。僕は仕事とプライベートという分け方ができない人間なので、毎日何かしらの形で関わっていたいと思ってしまいますし、身近に感じることができないと不安になります。

あと、アート作品は一時所有しかできないんですよね。「これは私のモノだ!」と抱えていてもその人が亡くなったら次の方の手に渡ることになります。

その一瞬でも良いから所有できること、世界に一つしかないモノを瞬間的に独占できる至福感、これはアートにしかない魅力ですし、最高の悦楽だと思います。


取材協力:gallery UG Tennoz
撮影:平川友絵
TEXT:田宮有莉

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エンリッチ編集部

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