ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

メリハリを付ける

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物事には緩急やメリハリというものがあるが、大きな成果を上げようと思った場合、これが重要な意味を持ってくる。攻めるべき時に、思い切って攻められないようでは、お金持ちになるのは難しい。

ただ堅実なだけでは資産家にはなれない

世界有数の資産家・投資家であるウォーレン・バフェット氏は、安定的に成長する企業に投資することで知られている。彼は堅実な投資家とイメージされており、日本でもバフェット氏を尊敬する人は多い。

バフェット氏が長期的なスタンスで安定成長する企業に投資しているのは事実だが、それだけで、あれほどの利益を上げられるのだろうか。バフェット氏が安定的な投資を行っているという話には、いくつかのカラクリがある。

同氏が経営するバークシャー・ハサウェイという企業はコングロマリットになっており、保険会社など様々な事業を保有している。バフェット氏は、同社の信用を背景に資金を借り入れており、手元の資金以上の金額を株式に投じている。つまり世間一般でいうところの信用取引であり、大きなレバレッジをかけているのだ。

投資の世界には、大きなリターンを得たければ高いリスクを取るしか方法はないという絶対的なルールがあり、それはバフェット氏にとっても同じである。銘柄の選別ではリスクを取らない代わりに、投資金額の部分で彼は大きなリスクを取っている。実際にやってみると分かると思うが、バフェット氏と同じ銘柄をレバレッジをかけずに購入しても、得られる投資収益はたかが知れている。

もうひとつのカラクリは、臨機応変の行動である。

企業の長期的な成長にかけるのであれば、本来、投資は淡々と事務的に行われるはずである。だがバフェット氏はリーマンショック直後など、株価が大きく下落した時などは、一度に大きな金額を投じて一気に株式を取得するなど、攻めるときにはカンを頼りに徹底的に攻めている。

しっかりとリスクを取り、攻めるタイミングが来たら、余計なことは考えずに一気に攻めるという行動ができているからこそ、あれだけの利益を上げることができるのだ。

加谷珪一

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