美術館人口に比べ、アート購入者が少ない日本
E:現代アートを購入する際の心構えがあれば教えてください。
小山:アートを投資と考えるなら、5年とか10年の余裕を持って付き合うことが大事です。作家を応援する気持ちで、どんな活動をしているのか追っていく。作品を選ぶには目だけでなく、耳でいろんな情報を得ることも大事。だから、情報交換ができるコレクター仲間がいるといいですね。たまに、海外アーティストの展示会を国内でやると、日本にはまだまだコレクターが少ないから現地で売れちゃう作品も買えるときがある。そういう穴場を狙うこともできます。ミュージシャンには簡単に会えないけど、現代アートの作家はギャラリーのオープニングレセプションに行けば会って話せるから、その人の人間味も知ることができる。ちなみに、ロンドンのアートフェアにはビヨンセとかブラピもいますよ。
E:日本のアートマーケットに成長の余地はありますか?
小山:市場としては活性化してないけれど、海外から注目されているのは事実です。今や世界的な作家の村上さん、奈良さん、草間さんだって最初は海外で評価されたから日本でも知られるようになった。日本は美術館に足を運ぶ人はたくさんいるけど、まだ購入するという段階になってないんです。税制も変わって100万円以下のアートは減価償却の対象となったし、この制度を活用して日本のコレクターは国内市場だけでなく、世界でアートを買ってほしいですね。
取材・撮影協力:小山登美夫ギャラリー
TEXT:舩山貴之