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再起動するオークランド

港もどかせて再開発

オークランドでは、地下鉄だけでなく様々な再開発計画が同時並行で進んでいます。建設中の地下鉄が地下に潜るハーバーフロント地区でも、写真にあるようにビルを壊しての大工事が進んでおり、商業施設やオフィスが入る巨大複合施設へと生まれ変わる予定です。

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また、現在オークランドの象徴となっている約100年前に作られたフェリーターミナルの茶色い建物から、わずか車で5分くらいの所に位置するオークランド港を丸ごと移設させて、市街地として再開発する計画も進んでいます。

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オークランド港は英国を中心として欧米からの移民を受け入れるために約180年前に開設されてからずっと今の場所にありましたが、物流の規模拡大により現状のスペースでは対応できなくなってきていることと、市街エリアの拡大で市中心部に位置する付加価値の高い土地を、港湾施設ではなく広く一般市民が利用できるように、オフィスや商業施設とした方が有効的であるという声が高まったことにより、移転が計画されています。

昨年、政府の諮問委員会での議論により、オークランド南部に位置するマヌカウか、オークランド南東部にあるファース・オブ・テムズの2つが移転候補地として選定されました。ただ、国全体の人口の3割近くが居住する最大都市で長年使われてきた港を移転するというのは大事業で、3,000~4,000億円という巨費と15年程度の歳月が必要と見られています。

前述した地下鉄の整備計画とは大分タイムラインが異なりますが、まずは地下鉄により中心部の移動が効率的になり、さらに人口が増えていく中で港湾施設の移転を完了させ、そこに新しい街を作っていくという、長期的な成長ポテンシャルがオークランドにはあります。

このように長期的に市街エリアが広がっていくことに加えて、市内を歩いていても中心部にはほとんど高層のコンドミニアムが見られませんが、商業施設やオフィスだけでなく住居も高層化が進んでいくことで町全体で受け入れられる人口も増えていくでしょう。

この連載の4回目~6回目で紹介したように、ニュージーランドは1,000万NZD(約7.6億円)の投資を行い、3年間で約90日の滞在をすれば永住権を取得できるインベスター・プラスなど、海外の富裕層や高付加価値人材を受け入れる様々な制度を整えています。

今回の滞在でもう1つ感じた変化としては中国人の団体観光客の姿が増えていたことです。また、これまで中国人富裕層の移住先として人気だったオーストラリアが不動産価格や物価が高騰したことにより、ニュージーランドに注目する動きも出てきています。

中国人を中心として広くアジアから移住や観光客が増えることは間違いなく、今回紹介したオークランドの再開発計画により、グローバル都市としてさらに成長することを期待しています。

次回は、ニュージーランドが世界の大富豪たちの逃避先として注目されていることを紹介します。

岡村聡_300

岡村 聡 (おかむら さとし)

シンガポールで資産運用のアドバイスを行う株式会社S&S investments代表取締役。 マッキンゼー&カンパニー、アドバンテッジ・パートナーズなどを経て、2010年11月に妻と2人で同社を設立。現在、資産運用に加えて、海外移住や海外不動産投資などのコンサルティングも行っている。著書に「世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣」(KADOKAWA/中経出版)など。

連載コラム

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岡村聡 著
 
『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』
KADOKAWA 1,540円(税込)
 
日本とシンガポールで、超富裕層を対象にファミリーオフィスを経営する著者が、「本当の富裕層」から学んだ、お金を使いこなし、豊かな人生をおくる術を解き明かす一冊。

岡村聡

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