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The Style Concierge

初デートにサイゼリアはアリかナシか 
お金持ちならこう考える

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先日、初デートにサイゼリアはアリかナシかというテーマがネットで話題となっていた。作家の室井佑月氏は「好きな男といくならどこでもよい」とコメントしたそうだが、これはまったくの正論といってよいだろう。だがお金持ちの人なら、おそらく初デートにサイゼリアは選択しないだろう。その理由は、サイゼリアが安い店だからではない。初デートでこうした店を選ぶというのは、男性にとって合理的な選択とはいえないからだ。

わざわざ安い店を選ぶのは男にとって合理的な選択とはいえない

この話は初デートに割り勘はアリかナシか、最初に一夜を共にするのはシティホテルかラブホかという話と基本的に同じ文脈で考えればよい。

男性にとっても女性にとっても初デートは重要なイベントである。本人は相手をデートに誘っているのだから、これから恋人になりたいたいと強く願っているに違いない。そうであるならば、初デートで失敗することは何としても避けたいはずである。

初デートにサイゼリアはアリかナシかということが話題になっているということは、本人がどう考えるかは別にして、初デートにファミレスは嫌だと考える女性が一定数存在していることを意味している。割り勘も同様で、初デートは男の人におごって欲しいと考えている女性が存在することは皆が知っているはずだ。

初デートなのだから、相手の女性がどのような価値観なのか100%把握しているわけではないだろう。そのような時に、もしかしたら嫌がられるかもしれないという手段をわざわざ選択する必要があるだろうか。

一方で、初デートの時にオシャレなお店に連れて行って、怒り出す女性はほとんどいないはずである。割り勘も同様で、初デートで男性が払うことについて不快感を持つ女性はほとんどいないと考えるのが自然だろう。そうであるならば、わざわざファミレスを選んだり、割り勘を提案するのはあまり合理的とはいえない。

もし初デートに成功し、お互いのことがよく分かってくれば、本当はどんなお店に行きたいのかといった話はいくらでもできるはずだ。その時になって、安くてカジュアルな店がよいとお互いが思うのなら、好きなだけファミレスに行けばよい。お金についても同じである。仲良くなってお互いの気持ちが理解できたら、割り勘にすればよいだけの話だ。

ここで重要なのは、最初のデートの時に、自分と相手と、どちらに軸足を置いているのかという点である。

もしかすると相手が嫌がるかもしれないことが分かっていながら、わざわざそれを選択するというのは、男性の側が「そうあるべきだ」と強く思っているからである。ビジネスと恋愛は似ているとよく言われるが、恋愛の世界と同様、ビジネスの世界でも「べき」論には少しばかり注意が必要だ。

加谷珪一

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