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The Style Concierge

「セルプロデュース」の心得

人として信頼があってこそ
セルフプロデュースは効いてくる

すなわち、人として信用や信頼がないとセルフプロデュースは意味をなさず、むしろ軽薄に映ったり、不信感につながるということです。一般的にデキる人はスマートに自己演出しますが、それは“人間力”というバックボーンがあるからこそ。そう考えると、「仕事相手であればビジネスの信頼性」など、根底として重要なことを抑えるのが、もっとも刺さるセルフプロデュースなのかもしれません。

つねにポジティブ、明るく自信があるといった、メンタルの持ちようも周囲に影響を与えます。「心の持ちよう」を自己管理することも、セルフプロデュースの一環です。

例えば、厳しい現実があったとしても「ワクワクするイメージ」を持ち続けると、ポジティブな姿勢をキープできます。アメリカでは、がんに対してイメージ療法や笑い療法が盛んに行われています。免疫機能を高める効果があるそうですが、これは健康な人でも同じこと。「ビジネスが大成した」「趣味を満喫している」など何でも構いません。ポジティブな自分をイメージすることで免疫機能は良くなり、「前向きな自分」をセルフプロデュースできるようになります。

姿勢をよくするだけでも自信は芽生えます。人は不安になると頭を垂れ、背中も丸まり猫背になってしまいます。逆の見方だと、そういった姿勢だとメンタル的にも不安定になるのです。ところが、意識をへその下の炭田の部分に集中させ、背中のあたりを意識、胸を張ると重心が安定し、メンタルも前向きに変わっていきます。

「心身一如」「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉がありますが、肉体の姿勢や重心位置が変化することで、心の状態もそれに応じて変化するというもの。自信を失いがちな時だけではなく、日常から姿勢に気を使うことで、ポジティブな雰囲気は醸し出せるようになります。まずは、こういったメンタル的なアプローチでセルフプロデュースに臨んでみてはいかがでしょうか。

*この記事は2018年12月に掲載されたものです

高畑好秀

高畑 好秀 (たかはた・よしひで)

メンタルトレーナー。1968年、広島県生まれ。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科スポーツ心理学専攻卒。日本心理学会認定心理士資格を取得。同大学運動心理学研修生終了後、数多くのプロ野球、Jリーグ、Vリーグ、プロゴルファーなどのプロスポーツ選手やオリンピック選手などのメンタルトレーニングの指導を行なう。著書に『一流だけが知っている自分の限界を超える方法』(中経出版)など。スポーツ、ビジネスのメンタルに関する著書は70冊を超える。

連載コラム

高畑好秀氏著書
高畑好秀 著
 
一流だけが知っている自分の限界を超える方法
KADOKAWA/中経出版 1,404円

 
名だたるトップアスリートが指名するメンタルトレーナーである著者が、彼らと真剣に向き合う中で見出した「人間は本来負けたがっている」というオリジナルのスポーツ心理学をベースに、「勝ち」への執着を捨て、限界突破のための「負け」を知る究極の方法を説く。
 
高畑好秀 公式サイト: www.takahata-mental.com

高畑好秀

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