ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

日頃の言動からお金儲けのゲームは始まっている

プロのアドバイスを受ける人も

それでも、場合によっては機嫌の悪いときに人前に出る必要に迫られることもある。ある資産家は、こうした状況に対応するため、プロから表情のトレーニングを受けていた。

彼が言うには、感情というものは、自分が想像している以上に顔に出ているという。不機嫌そうにしていると周囲から思われている人の多くが、自身はそれほど不機嫌そうにしているとは思っていない。普段から気をつけている人であっても、周囲からはそう認識されていない可能性もあるわけだ。

そうなってくると、表情のコントロールを自分だけで行うことは非常に難しいという結論になる。このため、彼は他人から客観的にアドバイスをもらおうとしたのである。

不機嫌な時、自分はどのような表情をしているのかを聞き、その時の自分自身の感覚をよく覚えておく。こうしたトレーニングを繰り返していくと、最終的には鏡を見なくても、自分が不機嫌な表情をしていることが自覚できるようになるという。

表情以外にもちょっとした仕草など、不機嫌さを示すサインはいろいろと存在する。例えば、ちょっとだけ歯を食いしばる、口元が少し引き締まるなど、他人が見るとよく分かる不機嫌サインというものが存在する。こうした自分の特有のサインを事前に理解しておけば、人に不機嫌な表情を見せる確率を下げることができるという仕組みだ。

不機嫌さを相手に悟られないようにする方法は、それだけではない。相手とやり取りする口調によって、だいぶ印象をコントロールすることができる。相手とやりとりする際には常にテキパキと受け答えするクセをつけておくことが重要である。こうした調子をいつも維持することができれば、多少気分が悪いといった条件が重なっても、そのような印象を相手に与えないで済む。

富裕層の人は、こうした地味な努力を積み重ねているのだ。


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加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

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