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The Style Concierge

MINI/ミニ

さて、ニューミニである。現代のそれは誕生秘話とは別の意味で存在をアピールしている。多くの人に愛されたかわいらしいマスクとスタイリング、それと“ゴーカートフィーリング”と呼ばれるキビキビした走りがそれだ。伝統的なDNAを残しながらBMWテクノロジーをうまい具合に融合させ、進化させている。

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そんな走りが好きで、ここ数年ミニをセカンドカーとして2台乗り継いだ。先代のハッチバックをベースにしたクラブマンと日本以外ではカントリーマンと呼ばれる背の高いクロスオーバーだ。前者はカリフォルニアサーファーをテーマにアイスブルーのボディカラーを選び、後者はロンドンをテーマにブラックのボディとホイールでクールに仕上げた。色で遊べるのもミニの醍醐味。他のクルマで批判されそうな色を選んでも褒められるのはミニならではである。

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クラブマン
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クロスオーバー

そしていまミニに注目しているのはまた進化しはじめたからだ。昨年春基本となるハッチバックをフルモデルチェンジし、秋にそれをベースにした5ドアを市場導入した。そして2015年、噂ではそれをさらにストレッチした新型クラブマンも出るとか出ないとか。

また、一方でトリッキーなモデルだったクーペやロードスターはつくらないという噂も耳にした。拡大したファミリーを整理しようという試みなのだろうか、興味が募る。

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現行のクーペ
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現行のロードスター

今日コンパクトカー市場はじつにホットで、各メーカーラインナップを構築している。よってミニのライバルは近年相当増えた。メルセデスやアウディも本腰を入れている。それに同グループであるBMWブランドからも同じコンポーネントを使ったモデルが出る。

ただ、忘れてならないのはミニは革新的なクルマであるということ。アレックス・イシゴニスが描いたドローイングは当時まさに画期的だったのだ。

ということを鑑みて現代のミニをもう一度見る。動き出したミニに期待をしながらも、正直不安は拭えない。ラインアップを整理しながらもそこに革新さは見えてこないからだ。海外で開発の責任者にインタビューしても「前はBMW3シリーズをつくっていた…」といった者ばかりで“ミニ歴”が浅い人が多い。はたして彼らの目にミニはどう写っているのか。

そんな不安を抱きながらも、期待を込め2015年もミニを追いかける。はたして今年開発陣はミニをどの方向へ進めて行くのだろう。90年代後期、クラシックミニの終盤はその半分が日本へ輸出されていたとも聞く。つまり日本はミニの長い長いお得意先。その意味からも日本がミニの救世主になることもあるんじゃないかな、とも考えられる。ミニファンの声がオーバー海峡を渡るのではないかと。

それはともかく、「ミニはこうあるべき!」といった強い信念で開発陣にはクルマを仕上げてほしいと願う。「こうきたか!」なんて驚かせてくれたら嬉しい。そんな願いを思い描く今日この頃である。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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