ENRICH(エンリッチ)

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フェラーリ ローマ

 
エンジンは3.9リッターV8ターボ。最高出力は620cvで、0-100km/h加速3.4秒を叩き出す。これは同クラスのオープントップモデル、フェラーリ・ポルトフィーノより20cvアップした数字だ。

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その意味からもローマがポルトフィーノのクーペ版という考えは払拭される。プラットフォームを共有しながらもおよそ70%新設計となればもはや別物。2+2のクーペとしてハイパフォーマンスなGTカーというキャラクターが描かれた。

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インテリアを見てもそう。488GTBや同ピスタからの流れを汲むポルトフィーノとローマではコクピットデザインがまったく違う。センターコンソールがそのままダッシュパネルにつながるローマは実に個性的で新しい。

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助手席とデュアルコクピットとなるデザインはまさにミッドセンチュリーのスポーツカーを思い浮かべる仕上がりだ。つまり、ここもレトロモダン。味わい深い大人の世界を感じざるにはいられない。
 
というのが今もっとも新しいフェラーリのニューカマー。GTカーとしてのローマは相当魅力的だ。このデザインとたたずまいに世界中のカーガイが魅了されるのは間違いなし。それと同時に、フェラーリにあまり興味なかった人もローマには目を留める気がする。ファッションコンシャスなセンスのいい感性豊かな人にビビッと刺さりそうだ。事実ローマの話題はすでに世界を駆け巡っている。一連の自粛が緩和されれば、さらにこのデザインが高く評価される日々がやってくるであろう。個人的には早くステアリングを握る日が来ることを待ち遠しく思う。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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