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MINI クラブマン
人も車もダイエットブームの中 太ったミニを受け入れられる?!

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その最大の特徴がボディの幅。なんと1800mmに達した。つまり、3ドアをストレッチしただけでなく、全幅まで拡大させたのである。これで、3ドアを基本形とするモデル群とクロスオーバー、そしてこのクラブマンという3本の柱が形成されたといえる。

ここに至った経緯は、マーケットの拡大だ。そもそもミニはプレミアムコンパクトとして認知されてきたが、いまやそれも細分化。さらなるプレミアムなコンパクトカーが他ブランドからも出ている。

ブランドバリューはもちろん、サイズもそこそこ大きいものは少なくない。例えばそれはアウディA3スポーツバックあたり。プレミアムコンパクトではあるが、A4アバント?と見間違えるくらいの存在感を持つ。

ということで、クラブマンはそこに向けてつくられ、マーケットの拡大を図った。すでに今回もこれはミニじゃない!なんて声が飛び交っているが、ニーズがあるのは確か。ミニ開発陣は3ドアハッチバックをベースに多様化するライフスタイルに対応する対策をとっているのである。

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そんなクラブマンの特徴だが、おもしろいのはリアゲートの開き方。メルセデスやBMWについている機能と同じように、リアバンパーの下あたりを蹴る動作をするとゲートが開く。が、クラブマンは観音開き。なので、一蹴りで右側、二蹴りで左側が開く。この辺のユーモラスさはさすがである。

インテリアもぐんと格が上がった。ダッシュボードからドアトリムまで見回すと驚く。その辺の4ドアサルーン顔負けの仕上がり。スポーティさよりもラグジュアリー志向へ舵を切っている。これまでのミニを知っている人ほどその差を感じるかもしれない。明らかに“プレミアム”のランクが上がった。

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といったようなキャラクターのクラブマン。3ドア群とはまた違ったマーケットで話題となることだろう。ただちょっと気になるのはテールランプのデザイン。ワルくはないが……まだ見慣れないためだろうか、つい目をそらしてしまう……。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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