ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

今回のテーマ 「帽子入門」


Q

「初めて被るなら、どんなものがいいのでしょうか?」


A

「ハンチングとトリルビーがおすすめです」

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初心者におすすめの2タイプ。左:レザー製のハンチング1万8500円(マローネ)、右:つばの短いトリルビー・タイプのハット3万7500円(パニッツァ/時谷堂百貨)

——初めて帽子にチャレンジしようという人は、どんなものを選ぶのがいいでしょうか?

ハンチングは抵抗なくかぶれておすすめです。形もスマートだし、顔型を選ばない。ジャケットスタイルでもカジュアルでも合う。ブランドはイタリアの“マローネ”がおすすめです。落ち着いた大人のクラシコイタリアがリーズナブルに楽しめます。ハット系なら、つばが短いトリルビーのタイプがおすすめです。比較的顔の形を選ばず、つばが主張しすぎないので入門にはもって来いでしょう。つばをすべて上に向ける“オールアップ”ではなく、前部分を倒す“スナップブリム”からスタートしてください。被り慣れてきたら、ポークパイやボーラーなど、個性を表現できるものにも挑戦してみるのはいかがでしょうか?」

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帽子をかぶる時は、必ずつばの部分を両手で持つこと。クラウンを掴むと傷みやすくなるためNG。

——被り方のコツはありますか?

「帽子の中心と顔の中心がずれないように、帽子を額に当ててから後ろを被る。その際、中折れハットのクラウンの部分をつかむのはNGです。両手でブリムを持って扱ってください。中折れハットの被り方は、ブリムを水平に、眉毛の上1cmあたりの深さで被るのが基本の被り方。鏡を見ながら、左右どちらかに傾けたり、さらにフロントを下げ気味にかぶったり・・などと、自分に似合う被り方を探してみてください。フロントをバックより上げる“あみだ被り”という被り方は、幼い印象となってしまうので紳士の方にはおすすめしません。

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サイズ調整テープ(左)と消臭・制菌ライナー“エリプリ”を装着した帽子。エリプリ1000円(時谷堂百貨)

——サイズはどうやって選べばいいですか?

「眉毛上1cmから水平に頭の後ろを通って、メジャーもしくは紐を一周させ、ゆとり分として指1本程度、あるいは0.5~1cm程度プラスしたものが、帽子のサイズです。被り慣れた方ほど、きっちりしたフィットを好まれます。でも最初はやや緩めを選ばれた方がいいかもしれません。サイズ調整テープというものがあるので、最初は緩めを選んでおいて、慣れてきたら後からテープで調整することも可能です」

——汗や脂が気にならないでしょうか?

「消臭・制菌ライナーの“エリプリ”という商品が売られていますから、気になる方は内側前部分に貼り付けるといいでしょう」

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ブラッシングは帽子の持つ毛の方向に合わせて行う。

——日々のお手入れはどうすればいいですか?

「固く絞ったフキンで軽く叩くようにして汚れを落とします。特に内側のリボンの部分です。ソフトハットはブラッシングをしてやります。帽子には渦巻き状の毛の流れがあって、通常は反時計回りとなっています。これは指で触るとすぐにわかります。最初は全体に毛を起こすように時計回りにかけて汚れを落とし、最後に反時計周りにかけて仕上げます」

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フィトンチッドを使い、強力な除菌、消臭効果を持つ“ハットランドリー”100ml入り1500円、50ml入り1000円(時谷堂百貨)

——汚れたり、臭いがついてしまったらどうしたらいいですか?

「“ハットランドリー”というフィトンチッドを使ったスプレーはおすすめです。100%天然成分で、強力な除菌、消臭の効果があります。また“メタモルフォーシア”という帽子専門のクリーニング店もあります。ここは一度リボンを外してクリーニングし、再度型入れして仕上げてくれます。帽子メーカーでもあるので、そんなことができるのです」

松尾健太郎

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