ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

レアコインの世界 2/4

内藤 そんなレアコインですが、どのような基準で価値は決まるのでしょうか?

西村 確かに、パッと見た感じではわかりませんよね。基本概念は「希少性」「グレード(状態)」「デザイン(人気)」といった3要素で、これらにより変わってきます。

希少性とはそのままで、流通している枚数のことで、少ないほど価値は高いとされます。グレードは0~70点の間で鑑定され、70点が最高だということ。仮に70点満点で1000万円のコインがあるとすると、同じモノでも60点だと100万円もしません。わずかな差でも、価格の面では、大きな開きになってしまいます。

デザインも価格に直結します。レアコインは現物で手に入りますから、やはり美しいモノが好まれるのです。一般的にはギリシア神話をもとにした神様がデザインされていたり、ライオンや馬であるとか、そういった模様が好まれるようです。そして、希少性とグレード、デザインによる人気が組み合わさると、価値はどんどん上がっていきます。

内藤 仮に世界に3枚しか現存していないとなると、一方で欲しい人がたくさんいれば、価値が高まっていくのは当然のこと。むしろ、それだけレアだと所有者は表に出さないでしょうし、売ることもないのでしょうね。

西村 レアコインの発行枚数は決まっていて、流通量は減っても増えることはありません。欲しい人が増えるにつれて、価値は右肩上がりになるだけです。とはいえ、枚数が多いコイン=ダメだというわけでもありません。流通性が高いと換金しやすいといったメリットがあるからです。そういった特徴も理解して取引するのがポイントでしょう。

ーーー希少性やグレードで価値が決まるレアコイン。資産運用の面ではどういったメリットがあるのか、次回は、この点を尋ねていこう。


西村直樹(にしむら・なおき)

株式会社ユニバーサルコインズ代表取締役社長
1978年生まれ。芝浦工業大学建築学部卒業後、スポーツ用品会社ゼビオ株式会社入社。
2年目で約100億円の予算を預かるバイヤーに抜擢。約10年間マーケティング業務に従事し、海外統括部門にてグローバルビジネスにも携わる。2014年に株式会社ユニバーサルコインズを起業。アンティークコインの深遠な魅力を広め、さらに、アンティークコインによる資産形成をサポートすべく奮闘中。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

連載コラム

内藤忍

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