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ロシア不動産投資 Vol.3

ロシア不動産3

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。

今月は、「ロシア不動産投資」をテーマに、株式会社ロゴスホームの池田雄一代表取締役と対談を行っているが、そろそろ本題へ。ウラジオストクの住宅事情や、同社の新たな不動産投資ビジネスについて語っていただこう。

日本とは異なる住宅事情
スケルトン渡しが基本

内藤 ウラジオストクでのリフォーム事業ですが、手ごたえはいかがですか?

池田 じつは、ウラジオストクだけではなく、ロシアの新築マンションは、コンクリートや配管が剥き出しで一切内装がない「スケルトン渡し」が基本です。せいぜい暖房が設置されている程度で、床や壁紙、キッチンなど、内装工事は購入者が手配しないといけません。

内藤 日本だと全部仕上がった状態ですが、新興国の不動産では珍しくありません。とはいえ、キッチンはキッチン会社、壁紙は他の専門業者というように、個別に依頼するのは面倒でしょうね。

池田 内装工事を一括して請け負う会社はほとんどなく、工事全体を管理するような人もいません。しかも、工事期間が1年など長く、施工も雑。引き渡し後すぐに修繕が必要なケースも…。途中で値段が変わったりして、ロシア人ですら安心して任せられない状況です。

内藤 日本だと住宅ローンの申請から登記、諸経費の精算、内装まで住宅会社にお任せですから、恵まれているというわけです。

物件はスケルトン渡し
物件はスケルトン渡し

日本の技術お感じる内装
日本の技術お感じる内装
アフター リビング
仕上がりに満足そうな一家
仕上がりに満足そうな一家

池田 我々が着目したのはそこで、新築マンションの内装工事を一括で請け負うというビジネス。坪単価で施工価格を決め、ローンのお手伝いから、引き渡しまでパッケージで手がけるというモデルを提供したのです。しかも工事期間は1カ月など、スピーディさも売りに、アフターフォローも徹底しました。日本では、工期や金額を守るというのは当たり前ですが、ロシアでは斬新な取り組みです。価格は個別に頼むより1.5倍ほどするのですが、かねてから日本の自動車メーカーは現地に修理工場があり迅速に対応するなど信頼感が高く、それは住宅に関しても同じで、富裕層を中心に受注が伸びていきました。

内藤 それまでなかったビジネスモデルですから、認知されるまでにはご苦労があったと思います。

池田 現地法人を2014年11月に立ち上げて、街の中心地にオフィスを構え、近くにモデルルームも開設しました。これもロシアにはない考えで、ラジオやテレビコマーシャルで集客を行い、モデルルームに来たお客様に「同じ内装を、この金額、いつまでに施工する」と営業したのです。こういった施策がローカルの人に受けました。

内藤忍

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