ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

Vol.3 現代アートをカテゴライズ 平面編 1/3

平面アート:その① 油彩

では、圧倒的に作品の多い平面ですが、こまかく分類すると「絵画」「デッサン」「版画」「写真」などが挙げられます。さらに絵画は「油彩」と「水彩」にわけることができます。

このなかで、もっとも作家・作品ともに多いのは油彩で、先ほど紹介した1億ドル以上の価値がある作品でも、油彩が圧倒的なボリュームを占めます。選択肢の幅が広く、リーズナブルな作品だと数万円から手に入るので、アートの初心者に向いたジャンルといえるでしょう。

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では、なぜ油彩はアートの歴史のなかで、支持・評価され続けてきたのでしょうか。一点モノという希少価値はありますが、加えてキャンバスに油絵具で描く油彩は、1500年以上前の作品が現存していることからも、耐久性、保存性の高さは折り紙つき。それも関係しています。

優れたアートには資産性が伴い、見て楽しみ以外の役割があるとは何度もお話ししましたが、油彩は丁寧に保管すれば劣化を抑えられ、資産価値を維持、あるいは向上することもあります。さらに、有事の際は丸めて持ち運びができます。アートの所有者には権力者も多く、争いやトラブルに見舞われることも過去にはあったはずです。極端な話、持って逃げられる資産として油彩は重宝されたのでしょう。そういった流れが現代にも引き継がれているわけです。

エンリッチ編集部

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