エンリッチ編集部鑑賞から購入する時代へ
アートセミナーの新しい形
セミナーの参加者からは「内藤さんが以前に主催したアートセミナーにも参加しました。アートの勉強はしてきましたが、アートとマーケットの関係について学ぶのははじめてだったので面白いですね。今回は聖アグネスの作品が気になります」、「これまで三井氏の勧めで3点のアート作品を購入しました。アートフェア東京や百貨店の展示にも足を運びます。現代アートは勉強しなければ難しいですが、アートはフィーリングで買うようにしています」などの声を聞くことができました。そして、今津氏の作品は数点が売約済みとなりました。
「私たちはアート文化をサポートして、文化を担う一員でありたいと考えています。海外の富裕層はミュージアムに寄付することが当たり前になっていますし、アートから得られる心の豊かさをもっと広めていきたいですね。当ギャラリーは少しわかりにくい場所にありますが、多くの方に足を運んでいいただきたいと考えています。お声をかけていただければ、展示されていないバックヤードの作品もお見せします」と山本氏。
内藤氏のメルマガ読者を対象にした今回のセミナーは初回で満席となりました。「今後はぜひエンリッチ読者の皆さんといっしょにアートイベントを開きたいですね。アートが好きな方、投資に興味のある方にはぜひ来ていただきたいです」。セミナー後は2次会も開催され、投資とアート談義に花が咲いた一夜となりました。
アートを見て、学んで、購入できるという新しいタイプのセミナーは今後も定期的に開催予定。これからの展開に期待です。
▼登壇者プロフィール
山本裕子（山本現代主宰）
東京都生まれ。2004年に東京、文豪の花街・神楽坂の工場街に現代美術のギャラリー「山本現代」をオープンし、2008年に港区白金の現スペースに移転。ヤノベケンジ、小谷元彦、今津景、ニコラ・ニュフ、宇川直宏など、メディアやジャンルを股にかけた手法で、強いコンセプトを持つアーティストを紹介している。
今津景（アーティスト）
1980年山口県生まれ。2004年多摩美術大学大学院美術研究科修了。近年、インターネット上に公開されている未返還、もしくは略奪や破壊などの行為を受けた美術品のイメージを収集し、デジタル処理を加えキャンバスへ描き出すシリーズを展開。在学中より国内のギャラリーを中心に作品を発表し、近年ではアジアの展覧会に出展するなど精力的に活動している。2009年VOCA佳作賞受賞。2013年第５回絹谷幸二賞奨励賞受賞。
三井一弘（ミツイ・ファイン・アーツ代表、アートディーラー、アートコンサルタント）
1970 年横浜生まれ。NBS Chapman University校卒業。1999年、美術界で世界的権威を持つウイルデンスタイン画廊(NY)の東京店、ウイルデンスタイン東京に入社。2014年11月からは東横イン元麻布ギャラリーに移り、企画展の開催や、東京都大田区にある巨大なアート支援の施設、アートファクトリー城南島の立ち上げに参加。そして16年春からアートディーラーとして独立。学校法人水野学園理事。丸の内朝大学の講師を 8 月に予定。
TEXT：舩山貴之
撮影：杉山順平
