ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

アートオークションの世界を知る

オークションへの参加資格は不要、若手作家なら10万円あれば落札できる

E:アートのオークションと聞くと敷居の高いイメージがありますが、参加するにあたっての資格などはあるんでしょうか?

加賀美:ご参加いただく際は、ご登録をお願いしています。登録書類と身分証をご提出いただき、問題がなければ、無料でどなたでも参加できます。また、観覧だけなら登録も不要です。

E:当日ふらっと立ち寄っても参加できるということですか?

加賀美:はい。最近は皆さまに少しずつ浸透してきたようで、新規のお客さまからのコンタクトも増えました。

エンリッチSBI_4

E:1回のオークションには何点くらいの作品が出品されて、どのくらいの金額が動きますか?

加賀美:1回で400点弱は出ます。オークション前には2日間ほど下見会も開きます。全作品が一堂に会して、しかも無料で見られるのでアート好きな方には魅力的かと思います。現在のところは作品のカタログも無料でご提供しています。

金額は2015年の実績でいいますと、約3~4億円です。

佐藤:今は1つの作品の単価平均が100万円くらいです。

E:オークションに参加される方の傾向を教えてください。

加賀美:主に事業主の方が多いですが、最近は30代くらいの会社員の方も気軽に参加されています。私たちはコンテンポラリーアートに特化しているので、安価なものは10万円くらいから落札できます。

E:10万円でも落札できるんですね。

加賀美:はい、若手の作家や、現在活躍中のまだアートヒストリーになっていない作家はたくさんいて、まだ手の届きやすい価格で買うことができます。今は無名でも、将来の草間彌生になるような作家を日本で生み出していく必要があると考えています。もともと、草間さんの絵は、かつて数万円だったものが、今や数百万円、ときに一千万円を超えたりすることもあります。

もちろんすべての作家がそうなるわけではないけれど、ひとりの作家の評価が大きく上がれば、価格が何十倍にもなることもあります。アートは海外にもマーケットがあるので、日本国内だけの景気や人気に左右されず、世界で価値が担保されているのも大きいです。

景気、所有者、取り扱いギャラリー、批評家の言説……、価格に影響を与える要素

E:ギャラリーではなく、オークションで作品を購入することのメリットを教えてください。

加賀美:オークションでは「こんな作品どこに眠ってたんだろう?」という思いもかけない作品が出てくることがあります。

佐藤:亡くなった作家や、ベテラン作家の過去作品を入手するにはオークションがメインになりますね。オークションは競りで価格が決まるので、ギャラリーで購入するより安く手に入ることもありますし、また、下見会にはスタッフが常にいますから、市場の動向などを聞きながら、相談して購入作品を選ぶこともできます。

E:オークションの出品者の情報はヒミツですか?

加賀美:はい、それは聞かれてもお答えできません。

E:やはり気になるアートの価格のメカニズムについて教えてください。

加賀美:景気に連動しますね。マーケットは常に動いていて、同じ作品も3ヶ月、6ヶ月で変わりますから。

あとは、取り扱っているギャラリーの格や知名度、著名な方が所有していたという履歴があれば、それも価値を押し上げる要因になります。批評家や評論家のアカデミックな評価による裏付けも影響を与えます。

エンリッチ編集部

Return Top