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日本でもようやくビットコイン関連法が成立。資産保全手段の一つとして注目

BITCOIN 

各国で法整備が進む中、日本だけが取り残された状況にあったビットコイン関連法案が5月、国会で可決成立した。これによってビットコインは日本においても「モノ」ではなく「通貨」に近い存在となる。このところビットコインの価格も安定してきており、ボラティリティは金と同レベルになった。関連法案が整備され、投資家保護のメドが付いたことで、資産保全手段のひとつとして、運用先の選択肢の一つに入れる富裕層も出てくるだろう。

日本だけが通貨ではなくモノだった

ビットコインをめぐっては、2014年に国内の取引所「マウントゴックス」が経営破たんしたことをきっかけに、その法的な扱いについて国際的な議論が高まった。

日本政府は、なぜか、いち早くビットコインは「通貨」ではなく「モノ」であるとの位置付けを明確にしてしまい、規制や保護の対象とはしなかった(日本はいつも決断が遅いのだが、こういう時だけは異様に決断が早い)。このため日本では、ビットコイン取引所は、消費者保護の対象となっておらず、投資家は安心してビットコインを変える状況ではなかった。

またビットコインは通貨ではないので、日本では理屈上、ビットコインの取引には消費税がかかってしまう。これは価値を担保する資産として扱うことは不可能である。

一方、海外は全く逆の反応であった。米国や英国では、ビットコインを通貨として認め、これを健全に育成する方向性で法整備の検討が進められてきた。すでに米国では、政府公認の取引所制度が出来上がっており、政府の監督によって投資家が保護されるようになっている。ビットコインを禁止もしくはそれに近い扱いをしているのは、中国やロシアなど、透明性の低い非民主国家だけという状況である。

こうした事態をうけて、日本でも一部の議員が状況を憂慮。法整備を進めるよう働きかけたことで、政府が重い腰を上げ、ようやく今回の法案提出となった。

法整備によって投資家保護が進む

今回、参議院で可決成立したのは改正資金決済法。同法では、仮想通貨の定義について、財産的な価値があり、物品やサービスの購入に使用したり、既存通貨との交換ができるもの、とした。これまでは、ただのモノだったビットコインについて、ようやく通貨に近い存在であると認定したわけである。

その上で、仮想通貨を取り扱う事業者については、金融庁への登録を義務付けることになった。登録事業者は、財務状況や消費者保護について監査を受けることが求められる。消費者保護が達成できていないと政府が判断した場合には、業務停止命令を出すことも可能となる。

加谷珪一

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