あるいは投資の指南本。株なら銘柄の選びかた、相場分析のテクニックを解説していますが、すべてをマネされてしまっては、著者のライバルを増やすだけで、ともすれば儲けのチャンスだって逃すかも…。すべてを包み隠さず公開しているとは思えませんし、仮に勝っているトレーダーがテクニックをすべて教えたら、いまごろ世間は億万長者で溢れかえっています。
つまり、人間というのは「本当のこと」は隠す、あるいは隠したがる生き物だということです。ノンフィクションであれば、「こんなことを書いたら嫌われるかも」「これは言いたくない」といった意識が働き、ややもすると自分を正当化、好人物に見せているかもしれません。ある程度はバイアス、フィルターがかかっていると疑った方がいいのです。
一方、フィクションの世界はどうでしょう。これは、あくまでも作者の想像の世界のお話ですが、小説であれば登場人物の感情はむき出しで、「同じ立場になれは、こんなどす黒い気持ちになるかも」といった、ストレートな共感を誘うことも。作者の技量に左右されますが、素晴らしいモノであれば、現実世界を凌駕する迫力、真実味があったりするのです。
もちろん「あくまでフィクション」と前置きしたうえで読まないといけませんが、私はこういった理由から、小説の方が人間模様を学ぶのに向いていると考えています。日常ではありえない疑似体験はストレス発散につながりますし、想像力も豊かにしますから、メンタル的にもプラスに働くことも。皆さんも、ノンフィクション、ノウハウ本だけではなく、フィクション作品で人を学び、メンタルブロックを外してみませんか?
*この記事は2016年10月に掲載されたものです
高畑好秀 著
一流だけが知っている自分の限界を超える方法
KADOKAWA/中経出版 1,404円
名だたるトップアスリートが指名するメンタルトレーナーである著者が、彼らと真剣に向き合う中で見出した「人間は本来負けたがっている」というオリジナルのスポーツ心理学をベースに、「勝ち」への執着を捨て、限界突破のための「負け」を知る究極の方法を説く。
高畑好秀 公式サイト: www.takahata-mental.com
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