ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

お金に対する誤った価値観から自由になる

営業の達人は決してゴリ押ししない

もちろん小倉氏は実業家なのでボランティアをしているわけではない。宅配事業が当たれば会社が儲かると誰よりも考えていたはずである。だがそれよりも、困っている人がいるのだから、そのニーズに合致したサービスがないのは不自然であり、自分がそれを提供すれば必ず受け入れられるはずだ、という信念の方が大きかったと考えられる。

小倉氏はその後、郵便事業への進出をめぐり政府と激しく対立することになるのだが、小倉氏はどんなに圧力をかけられても決して屈しなかった。それはメール便に代表されるような便利なサービスがあれば、利用者は必ず受け入れてくれるはずだという強固な信念があったからである。

これは営業など、もう少し身近な世界でも同じである。稼げる人は何らかの形で明確な信念を持っている。

世の中には営業の達人と呼ばれる人が存在しており、常識では考えられないレベルの売上実績を上げる。だが営業の達人が、商品をゴリ押しするような強引な営業をしているのかというと決してそうではない。どこの会社でも、カリスマ営業マンというのは、いわゆるギラギラした営業マンタイプではないことが多いのだ。

上手にモノを売ることができる営業マンは、自分が扱う商品のことを熟知しており、かつその商品を自分でも気に入っている。自分が扱う商品が世の中のためになると真剣に考えることによって営業トークにも真実味が出てくるのだ。

また営業の達人には、常に顧客目線に立っているという共通項がある。これが営業にとっては非常に重要なカギとなるのだが、売り手でありながら、顧客目線に立って営業活動ができるのは、顧客に必ず満足してもらえるという信念を持っているからである。

加谷珪一

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