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子ども達と洋菓子メーカーのプロジェクトの行方は?

コヂカラ・ニッポンで昨年、成功したプロジェクトに洋菓子のヒロタ(以下、ヒロタ)との新商品開発があります。出会った子ども達は千葉県市川市の行徳小学校6年1組の児童でした。彼らは5年の小学校在学中からの総合学習で日本のお米の消費量を増やす課題に取り組み、お米を使ったシュークリームやケーキを作ったものの、地元の商店街で売って授業は終えたそうです。これに対し、子ども達から不満の声が上がりました。なぜかというと、当初掲げたミッションに対し、大人が結論までつくって終わったからです。僕は子ども達に向け、「行徳だけじゃなく、世界に向けて売らないか?」と声を掛けたところ、「そんなことできるんですか」と目を輝かせながら応えてきました。

それに対してヒロタは、老舗企業ですが、2001年に破綻を経験し、現在は投資持株会社から女性社長を迎えた企業。私はその社長から、「再建はしたものの、古い体質も残っているから変わるきっかけを探している」という話を聞いていました。私は両者を仲介してみることにしました。同時に、ヒロタ側には「社会貢献という面もあると思いますが、損か得かを割り切って、ダメなものはダメと子ども達に伝えてください」と伝えました。

子ども達は早速、商品開発に取り組み、プレゼンの準備を始めました。商品には米粉を使ったシューアイスを提案。プレゼンはヒロタの社長をはじめとした幹部が学校に出向いて話を聞いてくれることになり、相当の意気込みを持って挑み、準備にがんばりました。

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そして運命のプレゼン日が訪れました。子ども達は、メンバー全員33人が1時間かけて発表。ところが工場の責任者達からは厳しい意見が出て、子ども達は結果を待つ間、「大人の世界は甘いものじゃない」と思ったようです。しかし結果は、「前向きに検討したい」。どうやら幹部達は愛想がなかっただけで、子ども達のアイデアに対してとても感心されていたようです。ヒロタの中には「オレの心に火がついた」と言っていた方もいました。

子ども達は一度諦めかけていただけに大騒ぎ。教室が割れるくらいの歓声が上がりました。20年教師をやられていた担任の先生が「運動会でも修学旅行でも子ども達があんなに喜んでいる姿を見たことがない」と言っておられたほどです。

エンリッチ編集部

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