困難な現状は「あるもの」で変える!
ある飲食ベンチャーでのエピソードを紹介しましょう。
その会社では、女性が数多く働いていました。しかし、飲食業界ですから夜にも仕事があります。大きな会社ではなく、経営に余裕もありませんから、ワーク・ライフ・バランスに配慮した制度整備も進んでいませんでした。
子育て中の女性社員にとっては厳しい環境です。女性活躍推進に熱心に取り組んでいる大手企業と比べたら、まさに「ないないづくし」と言えるでしょう。しかし、彼女たちは会社に愛着があり、仕事に誇りを感じ、その会社で働き続けることを望んでいました。
そこで、女性社員たちはどうしたか?
なんと、女性リーダーが中心に意見を取りまとめ、子育てをしながら昼間に仕事ができるよう、本業の飲食とシナジー効果のある、食品の生産・流通を手掛ける子会社の設立を経営陣に提案したのです。
会社の業態や経営状況を踏まえれば、直球思考で、他業種の大手と同じような育休制度や在宅勤務などを求めても実現が難しいことを彼女たちはよくわかっていました。しかし、会社の利益にもつながる新規事業の提案なら話は別です。彼女たちは、今ある条件下で可能な問題解決の方法を自分たちで考え、経営陣と相談しながら見事に実現したのです。
この話を聞いた私は、そんなやり方があるのかと驚きました。まさに「あるもの」でなんとかしてみせたリーダーシップの好例と言えます。








