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ベントレー ベンテイガ V8

もちろん、そうした先進性と共にベントレーらしさも忘れてはいない。

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アナログ時計まわりのフェイシアの高級感は格別。これまでの“ブルズアイ”と呼ばれた円形の吹き出し口もいいが、こちらは美しさもある。

それでは実際に走らせるとどうか。550psを発揮する4リッターV8ツインターボというパワーソースは変わらないが、吹け上がりがよりスムーズになった気がする。今回のオーバルコースでは直線で200km/hオーバーまで加速できたが、各ギアを上までしっかり使って加速するのが印象的だった。きれいに、気持ちよく、ノンストレスに回るエンジンである。

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もちろん、従来型も同時に試乗したのでそのパワーは感動モノだが、フィーリング面で若干違いがあるようだ。

また、その印象を強くしたのは、ステアリング操作に対する追従するボディの鋭さも関係する。スポーツモードでの操作系に対するクイックレスポンスはこれまで以上にレーシーに仕立てられている。試乗車はオプションの22インチということもあるのだろう。グリップは相当高く、安心して車体をコントロールできる。

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というのが新型ベンテイガのファーストインプレッションである。デザイン、パフォーマンス、快適性はどれも高得点だ。が、それ以上にウルトララグジュアリーSUVの先駆者だけあり、何か余裕のようなものを感じた。このカテゴリーを牽引する自信があるのだろう。「ベントレーを手に入れる!」という前のめりの感情を大きく包み込んでくれる偉大さを感じさせる一台である。
 

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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