ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

はじめてのオーダー靴 
ギルド オブ クラフツ 山口千尋 


Q

「どんな格好で行けばいいですか?」


A

「仮縫いの時のみ、その靴に合ったファッションで」


 
——オーダーに行く場合、こういった格好をしていったほうがいいというのはありますか?

「1回目のモデル選び・採寸のときは、どんな格好でもいいのですが、2回目の仮縫いの時には、その靴に合わせるファッションでいらっしゃるのがいいと思います。スーツ用だったらスーツで、という具合に。そのほうが全体像が見えて、仕上がりがイメージしやすいのです」

仮縫い用に作られた靴。本物と見紛うばかりの出来映えだ。アッパーは、本番用としては使わないカーフ(革)の端の部分などで作られる。
ギルドの仮縫い時に使われるもうひとつの道具。透明のラストシェル。

これを使えば、靴の中で足がどうなっているのかが、一目瞭然,お客様ご自身にもご確認頂けます。

 


Q

「トゥの形を選べと言われても、素人には難しい気がします」


A

「実物のラストをご用意しています」


 
——トゥの形を7種類から選べるというお話でしたが、素人にはどうしたらいいのかよくわかりません。

「そのために実物のサンプルのラストを用意しています。言葉やデザイン画だけより実物がイメージしやすいですからね。以前はスクエアやチゼルといったシャープな感じのトゥが人気でしたが、最近は、丸く穏やかなラウンドタイプが人気です」

——履き心地がいいのはどちらですか?

「実は履き心地を決定しているのは靴の後半部分で、トゥはあまり関係ないのです。ですから純粋にお好みで選んでいいと思います」

ギルドで使われているラストの数々。右二つはスクエア、左へ行くほどラウンドとなる。上から見るとほぼ同じシルエットでも、横から見ると、それぞれ厚みが違っていることがわかる。

 


Q

「どんな足形でも大丈夫なのでしょうか?」


A

「基本的に大丈夫ですが、相反する要求は無理なのです」


 
——とにかくラクな靴が好きなのですが・・

「そういったリクエストもアリだと思います。ビスポークだから、攻めたウエストでスマートなシルエットで・・・というばかりではないのです。どれだけ楽に過ごせるか、ということをテーマにしたビスポーク・シューズも有り得ると思っています」

——どんな足形の人でも、大丈夫なのでしょうか?

「靴で苦労している方は、子供の頃から、普通の人には想像もつかないような苦労をなさっているものです。そういった方々にフィットする靴を作るのもわれわれの楽しみなので、総力を尽くして取り組まさせて頂きます」

——できない足形というのはないのですか?

「できないリクエスト、というのはあります。往々にして、足の小さい方は大きく見せたがり、大きい方は小さく見せたがるものです。しかし相反する要求を叶えるのは無理な場合もあります。例えば、足のメジャー以上にタイトなシルエットなのに、全く負荷のないラクな靴というのは、難しいのです。

極端にウィズが広い方の例。このラストでスリップオンは既成靴では有り得ないが、オーダーなら対応可能だ。実際に履くと、靴がとても自然に見えるとい

松尾健太郎

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