ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

教授に聞いた、いまのトレンドまるわかり!
BEAMS F 中村達也


Q

「シャツのトレンドは、どうなっていますか?」


A

「襟型のバリエーションが増えています」

さまざまな襟型のシャツが出て来ている。左:マイクロチェックの一枚は、襟元をボタン留めするタブカラー・シャツ。2万3000円(エリッコ・フォルミコラ)、中:ラウンドした襟先が特徴のクレリック・シャツ。生地は英国トーマス・メイソン製。1万5000円(ブリッラ ペル イル グスト)、右:従来のものより襟の開きが小さいレギュラーカラー・シャツ。2万3000円(ボリエッロ/すべてビームスF Tel.03-3470-3946)

——シャツはどんなものを買えばいいですか?

「シャツのトレンドも、“クラシック回帰”で、大きく変わってきています。今までは襟の開きの大きな、いわゆるカッタウェイ・カラーを着ていればいい、という風潮があったのですが、ここ最近は、さまざまな時代の、さまざまな襟型が復活しています」

——どんなものがあるのでしょうか?

「カラーをボタンで留めるタブカラー、襟先が丸くなっているラウンドカラー、襟の開きの小さなレギュラーカラーなどです。ボタンダウン・シャツのボタンを外して着るという、かつてのジャンニ・アニエッリやルカ・ディ・モンテゼーモロ(どちらもイタリアの有名経済人、ファッショニスタ)がやっていた着こなしも、再び注目されています。すべて襟の開きが小さいところが特徴でしょうか」


Q

「ではネクタイは、どんなタイプをチョイスすればいいですか?」


A

「一番売れているのは、レジメンタルです」

英国軍連隊を起源とするレジメンタル・タイ。かつて一世を風靡したアイテムが、いま再び“旬”となっている。すべて1万円(ブリッラ ペル イル グスト/ビームスF Tel.03-3470-3946)

——ネクタイのトレンドが知りたいです。

「久々にレジメンタル・タイが戻って来ましたね。しかも今風にアレンジされたモノではなく、昔からのレジメンタルらしい配色のほうが人気です。これはサプライヤーからではなく、ピッティに集まるような、業界人からブームが広がったような気がします。彼らがしているのを見て、あわててメーカーが後追いをした感じでしょうか」

——レジメンタルというと、何となく制服のような気がします

「昔を知っている年配の方ほど、そういったことを気にされます(笑)。若い世代の人々は、何とも思っていないようですよ。彼らにとっては、レジメンタルはかえって新鮮に映るのでしょう。今ではビームスにおけるネクタイの稼ぎ頭といえるほど売れています」

——ノットはどうすればいいですか?

「シングルノットで、小さく、きゅっと結んで下さい。シャツの襟の開きが狭くなった分、その方がバランスがいいのです。最近では、真ん中が細くなったボトルシェイプのタイプも出て来ています」

グラフチェックのシャツにレジメンタルというアメリカン・ブリティッシュな組み合わせ。ノットはきゅっと小さく結ぶ。

Q

「ポケットチーフはどうですか?」


A

「シルク製をパフで入れるのが新鮮です」

シルクプリントのポケットチーフが注目されている。入れ方はポケットにふわりと差す、パフドスタイルが新しい。チーフ各9000円(ルイジ ボレッリ/ビームスF Tel.03-3470-3946)

——細かいところですが、ポケットチーフはどうですか?

「実はここも大きく変わっています。今までは白いリネンのチーフをTVフォールドやスリーピークスといった折り方で、すっきりと差すのが主流だったのですが、いま注目されているのはシルクプリントのタイプなのです。柄はペイズリー、ドット、幾何学模様などです。これも英国トレンドの影響といえます」

——差し方はどうすればいいですか?

「英国人は、シルクのチーフをパフドスタイルで入れるんです。パフとはチーフを丸めてふわりと差すスタイルです。ちょっと前までは、古くさいといわれていたやり方ですが、いままた新鮮ですね」

松尾健太郎

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