ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

教授に聞いた、いまのトレンドまるわかり!
BEAMS F 中村達也


Q

「ジャケットなら何を選ぶべきでしょう?」


A

「エクリュカラーとシアサッカーをおすすめします」

エクリュカラーのジャケットは上品に着こなしたい。リネン75×コットン20×ナイロン5%のジャケット。6万9000円(ビームスF/ビームスF Tel.03-3470-3946)

——ジャケットでおすすめのものはありますか? 軽く羽織れるような・・

「色のトレンドとして出て来ているのはエクリュ(生成り)カラーです。ベージュよりさらに薄いトーンですね。素材は麻や綿麻が主流です」

——コーディネイトはどうすればいいですか?

「同系色でまとめるとすっきりします。白い麻のシャツとニットタイを合わせたり、ハイゲージのレトロなポロシャツなども似合うでしょう」

夏の代表素材シアサッカー。細かいストライプと凹凸のある表面感が特徴。コットン92×ナイロン7×ポリウレタン1%のシアサッカージャケット。4万円(ビームスF/ビームスF Tel.03-3470-3946)

——他におすすめはありますか?

「シアサッカーのジャケットもいいですね。シアサッカーは夏の定番素材ですが、ここしばらくはあまり注目されていなかった。ところが昨年のミラノ ウニカ(世界中のプロが集まるテキスタイル展示会。ここで生地のトレンドが決まると言われている)で、シアサッカーが大きく打ち出されていたのです。いろいろなサプライヤーも、シアサッカーを出して来ています」

——こちらのコーディネイトについても教えて下さい。

「合わせるのは、やはりニットタイがおすすめです。ボトムスはコットンパンツに加えて、デニムの5ポケットなども面白いでしょう。ニットタイでタイドアップして、デニムを履いて、足元は革靴。そんなコーディネイトが“気分”です」

——素材はコットン100%ではなく、ナイロンやポリウレタンなどが入っているのですね。

「化繊が入っているのは、生地の物性をしっかりとさせるためです。化繊が入っているからといって、安物というのは大昔の常識ですよ」


Q

「パンツが大きく変わったと聞きましたが」


A

「細身のノープリーツよりも、プリーツ入りが再燃しています」

プリーツ入りのゆったりした腰回りから、足元にかけてテーパードしているシルエット。ベルトループはなく、サイドアジャスターで調節する。ウールパンツ2万6000円(ジェルマーノ/ビームスF Tel.03-3470-3946)

英国調のインプリーツで仕立てられたパンツ。ウエストはアジャスターボタンにて調節する。コットンパンツ2万7000円(タリアトーレ/ビームスF Tel.03-3470-3946)

——パンツのシルエットがずいぶん変わったようですね。

「ここ10数年、ずっとノープリーツの時代が続いて来ましたよね。そしてカジュアル化の流れの中で、どんどん細身になっていました。もうこれ以上は細くならないところまで、行き着いてしまった。しかしそのアンチテーゼとして、ここ数年、プリーツ入りのパンツが戻って来ています」

——具体的には、どういうパンツですか?

「シルエットは腰回りがゆったりしていて、裾先にかけてテーパードしています。ワンプリーツかツープリーツで、ベルトレスなものもあります。また内側にサスペンダーボタンがついていて、サスペンダーで吊るすことが出来るタイプも多いですね。俳優マイケル・ダグラスが1987年の映画『ウォール街』でしていたようなスタイルです」

——いきなりプリーツ入りは、抵抗のある方も多いのでは?

「これもお年を召した方ほど気にされるのです。『タック入りかぁ』などと仰って(笑)。若い人は柔軟ですよ。かえって20〜30代の方が、プリーツ入りを好まれますね。ビームスでは、もう7:3で、プリーツ入りの方が売れています。裾はクッションが入るか入らないくらい、やや短めに仕上げます」

松尾健太郎

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