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【42】日銀のマイナス金利政策による資産運用への影響は?

個人の預金がマイナス金利になることは無さそうですが、金利はほぼゼロですから、貸金庫にお金を置いているのとほとんど同じ状態です。

一方、金利が下がればプラスの影響を受けるのが、お金を借りている人たちです。株式市場でも借入の大きな電力会社や不動産会社などの株価は政策の発表後、一時上昇しました。REIT(不動産投資信託)も借入の負担が軽減されるとの思惑から上昇を描きました。

個人で借り入れをしている人にも恩恵はあったでしょう。住宅ローンの金利が下がれば、マイホームを買いやすくなります。投資用の不動産も借入金利が低下すれば、投資する人が増えて価格は上昇しやすくなります。

このように、マイナス金利とは、金利を払う人が得をして、受け取る人が損をする政策です。インカムゲインで資産を増やすのは、より困難になってしまいましたが、運用する資産側ではなく、負債(借入)も積極的に活用したポートフォリオの構築を考えることが、今後もますます重要になってくると思います。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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内藤忍

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