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不動産小口化商品 1/4

内藤 新築マンションは建築コストが上昇していて、かつ人手不足も供給コストに歯止めをかけています。そもそも、首都圏には土地もありません。その結果、実需では新築と中古で逆転現象が起きたのですね。

投資マーケットにも目を向けてみましょう。資産運用の面で、低金利のなか利回りを探している人たちはどんどん増えていて、その結果、金融資産から実物資産に投資対象をシフトさせるケースが目立ちます。金利も低水準で、金融機関も融資先が乏しいことから資金調達もしやすいといった状況です。ただし、ニーズに伴い物件価格は上昇気味なので、どんどん不動産賃貸利回りは下がっていき、都心だとオフィスビルは3%台、レジデンスで5~6%台、ワンルームマンションだと4%といったところ。依然、投資需要は強く、金融機関の融資姿勢が変わらないことに、この傾向は続くと思います。

懸念しているのは、アパートローンの焦げ付きを金融庁が問題視していることで、これをきっかけに融資姿勢がタイトになれば、潮目が変わる可能性もゼロではありません。

俊成 不動産投資が活況であることは、私も肌で感じています。ところが、個人が投資用物件を買うには巨額の資金が必要だったり、入居者募集や管理の手間も…。そういったリスクを避けることから、二の足を踏んでいる人も多いはずです。

こういった事情を背景に弊社では、より多くの人が不動産を所有できるよう、新たな商品の取り扱いを2015年4月から始めました。それが、不動産小口化商品の「アセットシェアリング」です。

ーーー聞き慣れない「不動産小口化商品」という言葉。一体、どういった資産運用なのか、次回以降からひも解いていこう。


俊成誠司(としなり・せいじ)

株式会社インテリックス 執行役員/ソリューション事業部長
1979年生まれ。米国ピッツバーグ大学経済学部卒業後、証券会社にて上場企業やJ-REITの資金調達業務に従事。その後、東京証券取引所の新部署設置に伴い参画。海外投資家へのマーケティングや新商品開発を行う。今後の個人の資産形成における不動産活用の重要性を強く思い、リノベーションにより価値を上げ良質なストックを供給し続けるインテリックスへ2010年入社。2013年同社財務部長を経て2015年より現職。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

連載コラム

内藤忍

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