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資産が稼ぐということの意味

もっとも分かりやすいのは事業の拡大

では得られたお金を再投資するというのは具体的にどのようなことを指しているのだろうか?もっとも分かりやすいのは、現在行っている事業の拡大である。

例えば、飲食店の事業であれば、最初の1店舗がうまくいった場合、2店舗目、3店舗目を出店するというケースは多い。1店舗目の運営で得られた余剰資金を、新しい店舗に次々と回していくのである。これはもっともシンプルな再投資である。

2店舗あれば、事業から得られる余剰資金は2倍になり、3店舗になれば3倍になる。このようにして、店舗数が増えるほど、その事業全体から得られる利益は大きなものになる。

居酒屋のワタミや焼肉の牛角など、多数の店舗を抱える外食チェーン点の多くは、たった1つの店舗からスタートしている。そこで得られた利益を次の店舗展開に投じるというサイクルがうまく回ったことで、巨額の事業資産が構築されたのである。

このように事業規模を拡大できると、稼げるお金の水準が変わってくる。

1つの店舗が売り上げる金額は、年間3000万円から5000万円がいいところである。だがこれが10店舗になると、3億円から5億円という数字になる。

同じ1人の人間が経営していても、その事業が稼ぎ出す金額のケタが違ってくるのだ。スタートした事業がうまくいったら、規模の拡大を試みる人が多いのは、当然のことなのである。

ただ、こうした事業への再投資が必ずしもうまくいくとは限らない。ワタミと同じように、居酒屋の多店舗展開を目指したものの、失敗してしまったケースは山のようにある。焼肉店も同じである。皆が店舗に再投資して、事業を拡大できるわけではないのだ。

同じ事業に集中しすぎると、その事業がうまくいかなくなってしまった時の反動も大きい。同じ事業への再投資は、巨額の資産を作る早道だが、リスクにもなる。

実業家の中には、余剰資金を、株式など金融商品に振り向ける人もいる。株式投資や債券投資にも、当然リスクはあるが、新しい事業をゼロから立ち上げることに比べればはるかに安全である。しっかりとしたルールに基づいて銘柄を選別していれば、少なくとも、半年で投資した金額がゼロになってしまうなどということはない。

歴史的に見て株式投資の平均的なリターンは年6%程度である。長い目でみれば株に投資することで年6%の収益を継続的に得ることができるのである。100万円の6%ではたかが知れているが、これが1億円となると話は変わってくる。1億円の資金を作ることができれば、何もしなくても年間600万円を稼ぐことが可能になってくるのだ。

ある程度まとまった金額があれば、リスクの高い新規事業にお金を費やすよりも、株式投資や債券投資に回した方が、安全で確実な運用ができる。

加谷珪一

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