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時にケチといわれる理由

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富裕層なのにケチだといわれる人がいる。お金がない人の僻みと思いきや必ずしもそうではないようだ。だが、ケチにしていれば多額の資産を作れるのかというと決してそうではないだろう。富裕層の人がケチといわれてしまうのは、彼等のお金の使い方やその価値観が独特だからである。

お金の使い方に明確な基準がある
 
多くの富裕層に共通しているのが、自身が必要と判断したもの以外には、ムダなお金は一切使わないという考え方である。使う必要がないと思うところにはビタ一文払わない代わりに、自分が必要だと思ったことには何の迷いもなく大金を投じている。

お金持ちの人はどこに金を使うべきかという感覚が普通の人とは異なっているので、ある部分について一般人が見たらドケチに見えるということなのだと考えられる。

フェラーリに乗り、高級タワーマンションに住んで、ブランド物を身にまとっている人であっても、彼らなりの理由があって消費をしている。

ハワイの高級コンドミニアムを所有するある女性の資産家は、忙しい中、時間をやりくりして、年に何度もハワイに足を運ぶ。だがそれはリラックスするためではない。彼女が言うには、ハワイの海を見ていると、さらにテンションが上がってきて仕事を頑張ろうという気になるのだという。

彼女にとって、ハワイのコンドミニアムへの出費は、仕事へのガソリンなのだ。だが、この女性は別の一面も持ち合わせている。

ネット通販である商品を購入したときのこと。キャンペーンでポイントが2倍だったのだが、サイト側の手違いでキャンペーンは終了していた。購入した後に訂正のメールを受け取った彼女は猛烈にサイトに抗議したという。1時間電話で抗議し、結局2倍のポイントをゲットした。

ポイントが2倍かどうかは資産家のあたなにとってはどうでもよいことなのでは?という筆者の問いに、彼女は「この商品はポイントが2倍だったから買ったの。そうじゃなければ買う価値がない商品よ」と答えている。

彼女に限らず、お金の使い方に相当なこだわりがある富裕層は多い。つまり彼等は、自分が必要ないと思ったものに対する出費は、絶対に首を縦に振らないのだ。どんなに性格が悪い人思われてもである。逆に必要と思えば躊躇なくお金を払い、それに後悔することはない。

加谷珪一

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