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お金持ちは人に依存しない

結局はムダをどれだけ排除できるのかの問題

この投稿者は、かなりの相手依存症だということが分かる。投稿者の知人は、出席すると答えた披露宴をドタキャンし、会費も出さずに遊びに行くような人物である。さっさと縁を切ってしまえばよさそうだが、投稿者はそうはいかないようである。
 
このようなひどい仕打ちをする相手に対しても、投稿者はまだ期待を抱き続けている。相手が「ゴメンネ」と言って、会費を出してくることを望んでいるのである。

この投稿者の心理的問題を解決するためには、相手が謝ってくるか、そうでなければ、他人から癒やしてもらって、この件はなかったことにするのかどちらかということになる。つまり解決策がすべて他人に委ねられているのだ。

おそらく、投稿者は、モヤモヤした気持ちを持ちながら、今後もその知人との交友関係を続けるに違いない。そしてその知人は高い確率で、ふたたび同じような仕打ちを投稿者に対して行うだろう。

これは極端な例かもしれないが、日常生活やビジネスの現場で、これに近いケースはかなり多いのではないだろうか?

親切にしたのに当たり前のような顔をされた、自分は一生懸命やっているのに相手は分かってくれない。この手のトラブルやストレスの多くが、相手に期待することが原因となっている。相手に対する期待というのは想像以上に危険なことなのである。

ここからがお金持ちと、そうでない人の分かれ道である。
 
「そうはいっても友達だから」
「自分は嫌な人と思われたくない」
「人との付き合いとはそういうものではない」

こういった理由でダラダラと不誠実な相手と交際を続けていては、前向きな努力はすべて相手に奪われてしまうだけである。これによって失われてしまう時間や機会は想像以上に大きい。

お金を払う相手に対して期待しないという勇気を持つことは、結果的に自分自身に対するリスクをコントールすることにもつながってくるのである。

こうした行動を積み重ねて行くと、やがて、あらゆる結果について、すべて自身の責任であると思えるようになってくる。ここまでくれば、お金持ちの思考法はほぼ完成形である。まさにこれは究極の自己責任であり、これが徹底できる人こそ、お金持ちになる資格が与えられるのだ。

*この記事は2015年6月に掲載されたものです

加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

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