諦めの感情が結果的にお金を引き寄せる
彼は人から持ちかけられた儲け話や投資案件がうまくいかなくても、すべて自分の責任にすることができる。話が詐欺だったようなケースを除いては、決して話を持ちかけた相手を責めることはしない。
こうしたクールな対応は徹底しており、取引先だけでなく、彼の会社で働く社員や彼の知人友人まで、基本的に同じスタンスで付き合っている。「どうしても我慢できないこともあるのではないですか?」という筆者の問いに対して彼は、
「昔は怒りを爆発させたこともありましたが、それも徐々になくなりました」
「結局、怒ったところで何も解決しないことがほとんどですから」と答えている。
確かに彼の主張は正しい。筆者も事業を始めたばかりの時は、血の気が多く、不誠実な相手には怒りにまかせて抗議したことも何回かある。だが、そのようなことをする相手は、ほとんどの場合、怒ったところで態度を改めることはない。逆に誠実な相手であれば、こちらの不満を察知すると、すぐに納得のいくような説明をしてくるなので、そもそも、そのような段階まで達しないことがほとんどである。
結局、人を怒らせるような人は、何を言っても改善しないものであり、そのような人と付き合っているのは、時間とお金のムダなのである。その人に対してすでに支払ってしまったお金や、費やしてしまった時間は、どうしようもない相手であることを知るための調査費用だと思って、諦めるしかない。後は関係を絶つのがベストである。
だが頭では分かっていても、これを実践するのはなかなか難しい。
先日あるネットの掲示板に、披露宴に友人を招待したところドタキャンされ、後日その友人が旅行に行っていたことが発覚したという記述があった。投稿した人は、気持ちがずっとモヤモヤしており、友人にそのことを言って会費をもらうべきか悩んでいるという。心が狭いのでしょうか?とも書いてあった。
心が狭いのでしょうか?と掲示板に投稿しているということは、おそらく、他の投稿者から
「あなたは心が狭いわけではありません」
「大変な思いをされましたね」
と言う言葉をかけて欲しいのだと思われる。








