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実行後に生じるリスクとその対応策 中編

3. 賠償額の上限と救済手段の限定に関する注意点

賠償額の上限設定とその「例外」について

「賠償額に上限を設けているから、上限額を覚悟すれば安心」と、一概に断定することはできません。

まずは、株式譲渡契約書における上限規定の適用範囲を確認することが重要です。

・一律の制限か、限定的な制限かの確認
一律に上限の定めがある場合もあれば、特定の事項についてのみ上限が定められている場合もあります。

・適用除外の有無の確認
売主の故意や重過失による違反(例:表明保証違反や誓約事項違反が意図的である場合)があるような場合には、上限の定めの適用が除外されていることがあります。

救済手段の限定に関する規定について

救済手段の限定を定めているからといって、法令上の責任を完全に排除することはできません。

株式譲渡契約において、紛争を見越して救済手段を限定する規定を設けていることはよくあります。具体的には、株式譲渡契約書中に定める補償を除いて、法令上の責任を負うことはしないという規定が挙げられます。

この場合にも、以下の点を慎重に確認する必要があります。

・対象範囲の確認
賠償額に上限額を設けている規定と同様に、救済手段の限定が株式譲渡契約書中にどのように定められているのかを確認する必要があります。たとえば、救済手段の限定について、補償等の金銭についてのみ対象としている場合がある一方で、解除等の契約終了による原状回復義務についても対象としている場合があります。

・例外規定の確認
賠償額の上限の問題と同様に、取引の根本的な違反や、故意による違反がある場合には、救済手段の限定の適用が除外されている場合もあります。

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岩崎隼人

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