ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、プレミアム系クレジットカードの新たな動きについて解説する。−−−

エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。今回は、プラチナカードを中心としたプレミアム系クレジットカードの新たな動向を取り上げます。
本題に入る前に、興味深いデータが公表されたので紹介します。近年はあらゆるシーンでキャッシュレス決済が普及し、皆さまもクレジットカードやタッチ決済などを使う機会が増えたと思います。それを示すかのように、2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%になったと経済産業省は発表しました。これにより、2025年6月までにキャッシュレス比率4割という政府の目標は前倒しで達成した格好です。ちなみに金額ベースでは141.0兆円、その内訳はクレジットカードが82.9%(116.9兆円)、デビットカードが3.1%(4.4兆円)、電子マネーが4.4%(6.2兆円)、コード決済が9.6%(13.5兆円)で、キャッシュレスの主役はクレジットカードだということがわかります。
そもそも政府がキャッシュレス決済比率の向上を目指した背景には、当時は2020年に開催する予定だった東京オリンピック・パラリンピックがありました。観光立国によるインバウンドの盛り上がりもあり、これを機に普及拡大を考えたわけです。現実的にはコロナ禍で五輪は延期、インバウンド需要は一時的に低迷しましたが、一方で多くの国民は感染リスクを恐れ現金の手渡しを避けるようになり、キャッシュレスの利用が増加しました。加盟店に置く端末の普及拡大や手厚いポイント還元策も功を奏したと思います。いま振り返ると、東京五輪やインバウンドではなく、生活様式の変化が後押しした側面は大きいでしょう。なお、政府は将来的にキャッスレス決済比率80%を目指しており、今後も必要な整備環境に努めるといいます。消費者からするとショッピングだけではなく、住まい、交通、納税などさらに利用できる場面は広がり、クレジットカードなどを持つことで、ポイントや特典などさまざまな恩恵を受けられる機会も広がっていくでしょう。








