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メルセデスベンツ Sクラス

その象徴的な装備がセンターに鎮座する12.8インチの大型タッチ式スクリーン。これまでとは全く異なる装備である。直接触れるのはもちろん、ステアリング上のスイッチや言葉による操作もできる。「ハイ、メルセデス!」でおなじみのMBUXだ。

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モニターが縦に大きくなったことで、ナビゲーションは見やすくなった。テスラやボルボが既に取り入れているが、この方が先を長く表示できるのがいい。でも新型Sクラスはそれだけじゃない。ヘッドアップディスプレイにARナビの案内表示が映し出される。つまり、実際の景色に矢印が当てはまる感じだ。最初は違和感あったが、慣れると使いやすい。

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エンジンは2種類で、ガソリンの3リッター直6ターボと同排気量ディーゼル直6ターボとなる。ギアボックスは共に9速ATで駆動方式は4MATIC、つまり四駆という組み合わせだ。ガソリンエンジンにはISG(インテグレートスタータージェネレーター)を組み込んだ48Vマイルドハイブリッドシステムが搭載される。スタートや加速をサポートするやつだ。これで省燃費をディーゼルに近づけられる。

今回は4WSが採用されているのもクルマを走らせる上でのポイントだろう。高速域では同位相、低速域では逆位相する仕組みで、大きなボディを軽快に動かせる。街中では取り扱いやすさを感じた。一般道でのUターンはステアリング切る角度に対して思っていた以上に小回りしてくれる。

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では走りだが、試乗車はショートホイールベースのS500 4MATICだった。プライベートカーとして魅力ある一台だ。そういえば、ドアハンドルが新しいのを明記しておこう。エアロダイナミクスを鑑みたフラットな面からグリップが電動で飛び出る仕組みだ。これはギミック的にもユニークである。

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高速道路、ワインディング、街中を走った印象は総じて軽快で心地よい。走り出すと大きさを感じさせないのが彼ら流だろう。今回は4WSもありよりそれを強く感じた。もちろん、アクセルに対するレスポンスはよく加速も十分。キャビンは終始静かでスッと追い越し加速していく。435psに不満はない。

とはいえ、世界の富裕層はわがままでもっと手強い。と言うことで、そんな方にオススメなのがメルセデスマイバッハS560と同S650。V8とV12エンジンを搭載したそれぞれのモデルは、よりパワフルでよりラグジュアリーである。なんたって高級ブランドのダブルネームですから。他人とは違ったSクラスをお求めの方は、そんな選択肢もお考えくださいませ。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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