ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

ハケット ロンドンに聞いた、英国流お洒落の真髄


Q

「今季おすすめのコーディネイトを教えて下さい」


A

「カントリー風のアイテムをモダンにコーディネイトします」

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実に英国らしいバンカーズ・ストライプのスリーピース。ウエストコート(ベスト)は別売りとなる。フォックスブラザーズのヘビーウエイト・フランネルが使われている。スーツ15万円、ウエストコート3万5000円、シャツ2万円、ウールタイ1万8000円(すべて9月上旬より随時展開予定)
(ハケット ロンドン 銀座 TEL:03-6264-5362)

——まずはスーツから、おすすめのものを教えて下さい。

「英国を代表するミル、フォックスブラザーズのヘビーウエイト・フランネル地を使ったスーツを試して頂きたいです。通常の秋冬物は370〜400g/m(生地の厚さの単位)ですが、これは500g/m近くあります。既成でここまで重いものはなかなかないと思いますよ。着込むほどに味が出る、まさに一生物です」

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クレリック・シャツとチャールズ皇太子の象徴でもあるプリンス・オブ・ウェールズ・チェックのウールタイをコーディネイト。

——合わせているのはクレリック・シャツですね。これも英国らしい!

「実はクレリック・シャツが英国でフォーマルシャツとして認められたのは、ここ最近のことなのですよ。2005年に行われた、チャールズ皇太子とカミラ夫人の結婚式がきっかけでした。それまではアメリカ的に捉えられており、英国で『クレリック・シャツ』と言っても通じません(笑)。ネクタイはグレンチェックにブルーのオーバープレイド(大きめの格子柄)を乗せたプリンス・オブ・ウェールズ・チェックです。これはチャールズ皇太子のオフィシャル・チェックでもあるのです。このようにハケットの服には、英国のストーリーがあるのです」

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キャメル生地のシャドウチェック・ジャケットを同系色でモダンにコーディネイト。スカーフは今季注目のアイテム。ジャケット13万円、コットン×ウールのシャツ2万8000円、コーデュロイ・パンツ2万5000円、シルク・スカーフ2万円(すべて9月上旬より随時展開予定)(ハケット ロンドン 銀座 TEL:03-6264-5362)

——ジャケット・スタイルはどうでしょうか?

「キャメルヘアのシャドウチェック・ジャケットにコーデュロイ・パンツというカントリー風のアイテムを組み合わせてありますが、カラーを同系色で揃え、モダンなコーディネイトとしています。また、コーデュロイ・パンツは柔らかいライトウエイトな生地を使っています。今季はこのようにアイテムはカントリーだけれど、全体としてモダンに見える着こなしがおすすめです。今季イチオシのアイテムでもあるスカーフがアクセントになっています。言うなれば、“カントリー・イン・ロンドン”といった趣きでしょうか」

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シューティング・ベストを中心に、カラーパンツでメリハリをつけた例。襟付きのシャツを合わせているところがポイントだ。ネップ入りケーブル・ニット3万円(ハケット ロンドン 伊勢丹新宿 TEL:03-3225-3591)、ベスト4万4000円、鹿の子シャツ2万8000円、パンツ1万8000円(ハケット ロンドン 銀座 TEL:03-6264-5362)。すべて9月上旬より随時展開予定。

——それでは、カジュアルはいかがでしょう?

「これもシューティング(狩猟)をイメージしつつ、都会的に仕上げてあります。ウィークエンドに、都会人が森を散策するイメージでしょうか? いわゆるシューターベストに秋らしい鮮やかなマスタード色のパンツを合わせて、メリハリをつけました。注目して頂きたいのは、インナーに襟付きのシャツを持ってきているところです。これだけで、ずっとキチンと見えるのですが、生地はリラックスした鹿の子素材なのですよ。エンリッチを読んでいる方は、きっとエグゼクティブが多いでしょうから、カジュアルにおいてもだらしなく見えないことが大切だと思います」

松尾健太郎

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