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プレミアムカードの資産価値を見出すには? 1/3回

エグゼクティブ御用達として知られる、クレジットカード最高峰の“ブラック・プレミアムカード”。エンリッチ読者には愛用者も多いはず。 しかし、このカードを使いこなせているだろうか?ここでは、ポイ探の菊地崇仁氏が、カードの秘められた実力や資産価値を高めるテニックを徹底的に指南。ブラック・プレミアムカードがもっと身近になるに違いない。

菊地氏3

新たなプレミアムカードを入手!

エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地崇仁です。前回は、クレジットカードの最高峰に位置する“ブラック・プレミアムカード”の定義や共通点について紹介しました。意外なお得感に気づくことができたのではないでしょうか。今回は、さらに具体的なサービスを掘り下げて、資産価値を見出すポイントをお伝えしたいと考えています。

さて、本題に入る前に、つい先日、私のプレミアムカードコレクションに新たな1枚が加わりましたので、ここで取り上げたいと思います。それが、楽天カードが発行する「楽天ブラックカード」です。

楽天ブラック

ご存知かもしれませんが、楽天カードでは、一般カード、ゴールドカードに相当する「楽天プレミアムカード」を発行していますが、じつはさらに上位のカードがあったのです。カードフェイスはその名のとおりブラックで、原則的に紹介制。楽天カード、楽天プレミアムカードのホルダーにインビテーションが届くことで、申し込むことができます。
年会費はプレミアムカードとしてはリーズナブルな、3万2400円(税込)。特長として挙げられるのは、次の3つの特典です。

・優待ポイント
・空港ラウンジ
・トラベルサポート

一般的なクレジットカードのポイント還元率は1%台ですが、楽天ブラックカードの場合、楽天市場、楽天トラベル、楽天ブックスなどの支払いでこのカードを利用すると、3%分の楽天スーパーポイントを還元。楽天の各種サービスを頻繁に利用するという人には、メリットが享受できます。

また、楽天ブラックカードと航空券を提示すると、羽田空港をはじめとする全国21の主要空港のラウンジを無料で利用できます。特筆すべきは、世界100以上の国や地域、300以上の都市で600ヵ所以上の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」を無料で発行してくれること。しかも、同伴者2名まで利用料の負担なしで使えるのはお得。同じサービスは楽天プレミアムカードにも付帯していますが、こちらだと同伴者は有料(27米ドル)なので、出張時や家族旅行の際に力を発揮しそうです。なお、楽天プレミアムカードは家族カード1枚につき年会費が5400円(税込)かかりますが、楽天ブラックカードだと無料です(2名まで)。

楽天から発行された「プライオリティ・パス」
楽天から発行された「プライオリティ・パス」

 
トラベルサービスも充実していて、国内宿泊予約を専門デスクから申し込むことができ、特別優待サービスも用意。海外滞在時は、世界30拠点以上に広がる現地トラベルデスクがレストラン・オプショナルツアーの予約、手配を代行してくれます。

年会費が安い分、コンシェルジュサービスはついていませんが、楽天各種サービスのヘビーユーザー、もしくは国内外へ頻繁に旅行に出かけるという人には価値を見いだせるというのが、私なりの感想です。それに、このカードはまだレアで、発行枚数もごくわずかというのもポイント。実際のところ、アメックスセンチュリオンより少ないのでは、と思っています。「あの楽天が、ブラックカード?」という驚きも込めて、面白いカードではないでしょうか。

決済利用だけでは使いこなせているとはいえない!

それでは本題に戻ります。
皆さまは、1枚、もしくは複数のブラック・プレミアムカードを所有しているでしょうが、それらを使いこなせているでしょうか。「普段から決済に利用している」と思うかもしれませんが、実のところ、それでは最上位カードの真価を発揮しているとはいえません。というのも、ブラック・プレミアムカードのポイント還元率は1%台が多く、必ずしも高還元率ではないからです。そこだけに着目すると、「リクルートカードプラス」なら、還元率は常時2%。こちらを使うほうが、断然お得ということになります。

ただし、ブラック・プレミアムカードは利用枠が数百万円~無制限と、一般・ゴールドカードに比べて多額なのはメリット。ビジネスの決済にも利用できる立場なら、どんどん使っていくべきです。得られるポイントも多くなり、それらを各カード会社のポイントプログラムで提供されている商品やサービスに交換したり、マイルに移行すれば、お得感は増していきます。多くの一般カードの場合、マイル移行手数料は有料のケースがほとんどですが、ブラック・プレミアムカードは無料が多く、その点もメリットです。

 
楽天にもブラックカードがあったというのは、驚きのトピック。リーズナブルにプライオリティ・パスを持つことができ、同伴者2名まで無料なので、サブカードとして持っておいて損はない。また、決済利用だけではブラック・プレミアムカードの資産価値は見いだせてはいないこともわかった。次回は、さらなる使いこなしについて触れていこう。


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菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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