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最新クレジットカード&セキュリティ事情 3/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。3月最後は、キャッシュレス化社会に向けた取り組みについて紹介しよう。(1/3から読む)ーーー

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偽造やマネーロンダリング防止のため
高額紙幣が世界から消える?

クレジットカードやモバイル決済は利便性の面から、利用者は徐々に増えています。世界を見渡すとその動きは急加速していて、スウェーデンの現金使用率は2%にしかすぎないほど。
同国ではクレジットカードや電子マネーが普及していて、銀行口座を持つ7歳以上の子供にもデビッドカードを発行、人口の97%が保有しています。現金が使える場所は限られていて、一部の露天商くらい。クレジットカードや電子決済を使ったほうが格段に利便性は高まります。

理由は言わずもがな、お金の流れを電子で管理することで、国としては脱税やマネーロンダリングを防げますし、紙幣発行の予算も削減できます。現金狙いの空き巣やひったくり、強盗の抑制にもつながり、消費者は店舗で支払いの時間を短縮でき、紙幣や硬貨を管理しないですみます。店舗側も金銭の管理がなくなり、両替の手間もなくなります。現金払いが減ってレジ待ちがなくなると、売上アップだって期待できます。

こういった理由から、キャッシュレス化を推進する国も出始めています。インドでは、500ルピーと1000ルピー紙幣を無効にして、不正資金の撲滅に乗り出しました。同様の動きは他国でもあり、欧州中央銀行は500ユーロ札、カナダやシンガポールも高額紙幣を廃止すると決定、日本でも1万円札の廃止に向けて議論が始まろうとしています。

「使えなくなると買い物に困る!」という声が聞こえそうですが、まさにそれが狙いです。仮に日本で1000円札しか使えなくなると、サイフは紙幣でパンパンに…。そうなると面倒ですから、クレジットカードや電子決済にシフトするというのが狙いです。大量の定額紙幣の持ち運びは面倒で、地下経済にもダメージを与えるはず。中国も偽造対策としてモバイル決済を進めていて、いまやあらゆる場面で現金の使用率は減っています。

アメリカ・シアトルでは無人コンビニの「Amazon Go」の1号店が、いよいよ本格的にオープンしました。店舗では入口にQRコードの読み取り機がゲートのように並んでいて、来店者は専用のアプリをダウンロードの上、スマホをかざしてスキャンすれば入店できます。あとは自由に買い物をすれば、店内に設置されたカメラやマイク、センサー類がチェック。一度手に取った商品をキャンセルして棚に戻しても、しっかりとカウントされます。そして、買い物が終われば、そのまま店を出れば、登録したクレジットカードから決済するという流れです。キャッシュレス化どころか、レジすらないという店舗ですから、店舗にとっては人件費の抑制にもなります。

もちろん、日本でも同様の取り組みは始まっていて、クレジットカード決済やモバイル決済を前提にしたレジレス、さらには無人店舗の実証実験を始めています。とりわけ日本は少子高齢化に伴う人手不足が深刻で、その解消のために進めるという側面も。なかでも、クレジットカード、モバイルともに多様な決済手段を取り入れているローソンは、積極的に取り組んでいる印象です。

ただし現実を見ると、日本は現金主義者が多く、技術が高いので偽造も難しく、このままでも構わないという意見もあるでしょう。とはいえ、様々な面からキャッシュレスの安全性や利便性、管理面でメリットに軍配が上がり、人手不足も相まって、徐々に浸透していくのではないでしょうか。ますます、クレジットカードや電子決済の必要性は増すということです。

菊地崇仁

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