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コロナでプライベートジェットが活況

プライベートジェットへの需要は増加

コロナという感染症の性質上、なるべく密室で人が多い状況を避けたいことから、特に安全性に敏感な子供を連れた家族旅行にプライベートジェットを利用する富裕層が増えています。

3月にグローバルでプライベートジェットの利用は急増しましたが、これはコロナを受けて本国に帰る企業によるチャーターが中心で一時的なものでした。それが6月に入ってから、夏季休暇でのチャーター利用が増え米国でプライベートジェット事業を手掛けるモナーク・エアの20年6月の利用者は前年の2.3倍となり、同業のマジェラン・ジェッツも2.2倍となったようです。利用も主要都市とコロラド州アスペンやジョージア州サバンナといった高級別荘地を往復する需要が増えており、出張ではなく旅行での利用が中心となっています。

安全性に加えて、原油価格の下落とコロナ対策として航空輸送にかかる7.5%の連邦消費税が免除されているため、昨年より20~30%安い料金で移動できることも利用増を促しています。路線によっては商業フライトのファースト・ビジネスクラスと1人あたりの料金が変わらないところまで価格が下がっています。

同様のトレンドは米国以外でも起きており、プライベートジェット運航会社のビスタ・ジェットは欧州発のチャーター便が、5-6月は前年の2.5倍に達し、7月も同様の需要が見込めると発表しています。欧州の近隣都市へのフライトであれば安ければ60万円以下からチャーター便が利用でき、家族で利用すればナショナルフラッグのプレミアムクラスよりも場合によっては安くなっています。

通常のタイミングであれば25%程度の新規顧客の比率も、各社ともに60%近くにまで上昇しているようで、これまでプライベートジェットを利用してこなかったセグメントの利用が増えてきていることが伺えます。

岡村聡

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