ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

ニューヨーク 
さらに進化をするマンハッタンのコンドミニアム

供給過多で値下がりも

ただ、この凄まじい建設ペースによる供給過剰と中国経済の失速を受けて、マンハッタンの超高級コンドミニアムの価格は軟調になってきています。3年前にはOne 57をはじめとして超高級コンドミニアムの中で出会う買い手候補の多くは中国人でしたが、その後の景気後退と資本流出規制の強化、さらには米中の貿易交渉の激化を受けて米国の高級不動産への中国人の資金流入は急失速しています。

不動産調査会社のReal Capital Analytics社の調査によると、中国人投資家による米国不動産への投資額は2014年の約34億ドル(約3,600億円)から、15年に約150億ドル(約1.6兆円)、16年に約190億ドル(約2.0兆円)と激増したところから、17年に約56億ドル(約6,000億円)、18年に約27億ドル(約2,900億円)とトレンドが反転して急減速しています。

こちらの金額は住宅以外のオフィスや商業施設など全ての米国不動産の購入額なので、不要不急の高級コンドミニアムへの投資額は全体の減少幅よりもさらに急減速していると見ています。3年前に中国人だらけだったところから、今回は中国人バイヤーの姿を全く見かけなかったこともこの全体統計を見るだけでうなづけます。

57番街の超高級コンドミニアムでも、売値を20~30%程度引き下げる例が目立っています。17年末に432 Park Avenueの最上階に近いペントハウスが4,100万ドル(約44億円)で売りに出されていたところから、19年6月に成約した際には3,150万ドル(約34億円)と10億円以上のディスカウントがされました。

UR63_7
432 Park Avenue

また、同じ432 Park Avenueの低層階の400㎡弱の3ベッドルームを18年頭に購入した元メジャーリーガーのAロッドとジェニファー・ロペスのセレブカップルは、同じく19年6月に買値とほぼ同じ約1,600万ドル(約17億円)で売却したと報じられました。このタイミングの売買であれば損を出さなかっただけで御の字といえるかもしれません。

超高級コンドミニアムの中でも数十億円~100億円近くする1,000㎡からそれ以上の巨大なサイズのペントハウスの売上が特に失速しており、それらは値下げよりも間取りが許すのであれば2つか3つの住居に小分けにして販売される例も増えてきています。

岡村聡

Return Top