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ドゥテルテ後のマニラ 後編

UR42

前回に、ドゥテルテ大統領の剛腕もあって目に見えて治安が改善したマニラについて紹介しましたが、今回はマニラの不動産についてです。

マニラの中心であるマカティ

フィリピンは、経済成長のフェーズや人口動態、さらには都市化のペースで見ても日本の1960年代前半に相当します。日本人がこのフィリピンの経済成長から恩恵を受ける最も手っ取り早い方法として、今回はマニラの不動産市況について紹介します。

東京タワーの建設や東京オリンピックで盛り上がり、急速に不動産開発が進んだ1960年代前半当時の東京と同じく、現在のマニラは開発ラッシュに沸いています。今回、マニラで不動産エージェントを営む現地の知り合いと一緒に色々なエリアの不動産を視察しましたが、日本人のシニア層が視察に来ると、マニラの現状から日本の1960年代を思い起こさせるというコメントをよく聞くそうです。

マニラの不動産で最も人気が高いのはマカティ地区です。フィリピン最大の財閥であるアヤラが開発するこのエリアは、東京で例えると三菱地所が開発を主導する丸の内地区です。近代的な高層ビルが立ち並びオフィスとして人気であるマカティ地区は、レジデンスももちろん魅力的ですが、投資対象としてはオフィスが最も手堅く、かつ値上がり益が期待できるようです。

フィリピン経済において巨大財閥が持つ力はすさまじく、アヤラも不動産だけでなく通信や金融、ユーティリティ、小売り、教育とそのビジネスは多岐にわたっています。以前は、アヤラの私設警備員の方が警官よりも優秀だから、アヤラのコンドミニアムを選ぶ人が多かったようですが、ドゥテルテ就任後は少しずつ財閥の力がそがれているようです。

それが端的に表れたのが携帯料金の引き下げで、アヤラ傘下の企業など数社が独占していて高額だったところから、ドゥテルテ大統領の鶴の一声で半額になったと、現地の知り合いが話していました。ドゥテルテは直近も支持率90%以上と高い人気を誇っていますが、こうした分かりやすい既得権益の排除を行っていることも貢献しています。

岡村聡

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