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ベイエリア 3/4 
なぜスタンフォードは世界一の大学に上り詰めたのか

東大の200倍以上の圧倒的な資金力

スタンフォードはなぜ、このように多方面にわたって優れた卒業生を輩出できるのでしょうか。起業活動のサポートについては前々回のコラムで、1940年代から50年代にかけて工学部長を務めたフレデリック・ターマン氏の影響が大きかったと紹介しました。ただ、当時まだ珍しかった大学の起業活動への積極的な関与や、現在まで続く多方面での優秀な人材の輩出には、大学の創始者であるリーランド・スタンフォードの理念が大きく寄与しています。

スタンフォード大学の正式名称は、リーランド・スタンフォード・ジュニア大学といいます。ジュニアの名が入っているのは、大陸横断鉄道の創始者として財を築いたリーランド・スタンフォードの一人息子が幼くして病でなくなったため、この子の存在を後世に残すためです。

最初から大学を設立すると決めていた訳でなく、リーランドとジェーンのスタンフォード夫妻は東海岸に富豪により設立された様々な公共施設を見て回り、大学と美術館に息子の名前を付けることを決めます。その時にリーランド・スタンフォードは「(子供を亡くした自分たちにとっては)カリフォルニア州のすべての子供が自分たちの子供だ」と発言したと伝えられています。

スタンフォードが設立された1890年代当時は。東海岸の名門大学のほとんどが男子校でかつキリスト教をバックボーンとしていましたが、移民が多く自由なカリフォルニア州の雰囲気を活かした大学とするために男女共学で、さらに無宗教とされました。このことにより、スタンフォードは米国の大学の中でも幅広い属性の優秀な学生を集め、その自由な校風の下でベイエリア全体の企業活動が活発化する源となりました。

今やスタンフォード大学は、「カリフォルニア州だけでなく世界全体のすべての子供がスタンフォード夫妻の子供である」というところまで世界的に名声は高まっています。

岡村聡

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