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成功には犠牲が伴う

③間違った話に辟易する

世の中において、お金について語られている話のほとんどがウソである。その結果、お金持ちの人は、毎日のようにメディアやネットなどでウソの情報を見せられることになる。しばらくすると慣れてくるものではあるが、明らかにウソと分かる話が当たり前のように語られていることについて、何も感じずにやり過ごすというのは、精神衛生上、あまりよいものではない。

お金に関する話がウソばかりになってしまうのは、一般的に流通する情報のほとんどが、お金持ちではない人を対象にしているからである。内容はウソなのだが、お金持ちではない人にとって心地がよい話と、内容は真実だが、多くの人にとってあまり聞きたくない話のどちらがニュースになりやすいのかについては、考えるまでもないだろう。

結果的に、お金持ちにとってはウソと分かる情報ばかりが世間を賑わすことになる。

この感覚は、実際に成功者になってみないとなかなか実感できないことでもあるのだが、もし、成功する前に、この事実に気付くことができれば、成功までの道のりは一気に短縮されるだろう。多くの人が望むお金の話はたいていの場合、反対に解釈すれば真実に近づくからである。

以前、このコラムで税金の話を取り上げたことががあったが、まさにその典型である。お金持ちが脱税でウハウハ、などというのはまったくの妄想といってよいレベルだが、税金の仕組みに早くから気付くことができた人は、圧倒的に有利な立場で資産形成が可能となるのも事実である。その意味では、情報というのは使い方次第ということになるだろう。

*この記事は2019年8月に掲載されたものです

加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

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