ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

リッチな男性は女性にモテるのか?

お金があると長期性が可能となる

これは男女関係に限らず、ビジネスや投資全般にも言える事だが、経済的に余裕があることの最大の利点は、長期戦が可能になることである。

経営者をしている筆者の知人は、30代後半でバツイチだ。離婚をきっかけに再び独身時代を謳歌しており、数多くの女性を食事に誘っている。本人の自己申告なので真偽は不明だが、ヒット率はかなり高いという。

ちなみに、彼の見た目はごくごく平凡で、どちらかというと冴えない部類に入るかもしれない。経営者なのでお金に余裕はあるが、全身ブランド物といった雰囲気はない。誘うお店も超高級店というほどではないので、女性の方も、高い料理だけを目当てに誘いに乗っているわけではなさそうだ。

彼のヒット率が高いのは、ある程度、長期戦で取り組んでいることが要因である。もちろん彼は、数多くの女性に声をかけている。何人もの女性に声をかけまくるのは、まるでゲームのようで、結構みっともないことではあるが、現実問題として、多くの女性に声をかけないと、うまくいく回数も少なくなってしまう。

これはビジネスの話に置き換えればよりイメージしやすいだろう。セールスは効率も大事だが、やはり絶対数の影響は大きい。結局のところ、大きな成果を上げている営業マンは、多くの潜在顧客と接触しているものだ。

多くの女性に声をかけることは、その気になれば誰にでも出来ることだが、彼の場合は、その後の対応が違っていた。

彼の見た目はごく普通なので、誘っても断られることが多い。というよりも女性の側にしてみれば、相手が誰であれ、そう簡単には誘いに乗らないだろう(そうではない女性もいるだろうが)。ところが彼は、断られることはまったく気にしていないようだった。2回ほど頼んでみて、ダメそうだと分かると、あっさり「残念」といって引き下がり「でも気が変わったら一緒に行ってね」と付け加えていたのだ。

その後、しばらくの間は、その女性と顔を合わせることがあっても、ごく普通の会話に終始し、誘ったことにはまったく触れない。ある程度の期間を置いてから思い出したように「そういえば、食事の件だけど、気が変わったりしていない?」と切り出すと、結構な確率でOKしてくれるそうである。

失礼な言い方でなければ、女性も食事に誘われて悪い気はしないはずである。だが、誘いに乗る気はあまりないし、しつこいのは絶対にイヤというところがホンネだろう。ここであっさり引き下がられ「気が変わったら一緒に行って欲しい」と言われてしまうと、相手も少しだけ後悔してしまう。

後日会っても、その件にまったく触れられないと、人によってはちょっとガッカリしてしまうかもしれない。そのタイミングでもう一度誘えば、OKしてくれる確率が上がるという算段だ。

加谷珪一

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