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“お金の教養”で物事の本質がわかる
ファイナンシャルアカデミーの次なる一手(後編)

高校は、品川女子学院(東京都品川区)や明星学園(東京三鷹市)の家庭科や社会科の授業で行っている。

大学は、神戸夙川学院大学(兵庫県神戸市)、青山学院大学(東京都港区)、城西大学(埼玉県松戸市)、東京女子大学(東京都杉並区)。このように、着実に金融経済教育授業の輪は広がりつつある。

カリキュラムの内容は、小学校と高校・大学向けで異なる。

「小学生の場合は、ファイナンシャルアカデミーの講師がナビゲーター役になり『おこづかいゲーム会』を行います。これは、親子で話し合って決めたおこづかいの中から必要な物と欲しい物をどうやってやりくりするのか、子ども自身が考えながら進めていくシミュレーションゲーム。親御さんからは『家庭で教えられないことを学べて良かった』となんども通う方もいます」

「小学生向けゲーム」の様子
「小学生向けゲーム」の様子

いまでは学校で開催するほか、土曜日や夏休みのイベントとして地域の集会場で行うことも。教育委員会が告知をサポートするなど、バックアップ体制も整ってきた。

「最初は『お金のことだから…』とナーバスな姿勢で、受け入れていただけませんでした。ところが、私が理事長を務める『一般社団法人金融学習協会』の理事のひとりが元小学校教員ということもあり、一つの開催がきっかけになり、たくさんの子どもたちに広がり、教育委員会からも推薦を得られました」

神戸夙川学院大学は、かつて泉氏が客員教授を務めた時に数度にわたり実施、他の大学での開催にもつながった。

「高校でも広がりを見せています。『家庭をうまく回すにはお金の知識が必要』というのが導入の決め手でした」

具体性に富んだ内容が多く、例えば、「お金は信用を見える化したもの」―バイト先で時給が上がるのは、仕事ができるなど信用力があるから、あるいは「モノの価値と価格」―両者は異なり、それを見極めたうえで買うのがポイント、住みたい家をネットで探し物件価格を調べて返済シミュレーションを行うことで、どれだけに収入が必要かリサーチするなど、事例を挙げて学生たちはお金について学んでいく。

エンリッチ編集部

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